発泡成形とは
発泡成形とは、樹脂に発泡剤を混ぜ、気泡を含んだ状態で成形する技術です。
気泡を樹脂内部に均一に分散させることで、製品の軽量化、断熱性・遮音性の向上、衝撃吸収性の付与など様々な特性を付与することが可能です。発泡成形は通常、熱可塑性樹脂を原料とし、化学的または物理的に気体を発生させる発泡剤を混ぜ合わせて行います。成形機内部で樹脂を加熱溶融し発泡剤を分解または気化させることで、樹脂内に無数の気泡が形成され、その後に金型内で冷却固化させることで気泡を保持したままの成形品が得られます。発泡倍率は、発泡剤の種類や添加量、成形条件などを調整することで用途に合わせて制御することが可能です。
発泡成形によって製造された製品は、通常の樹脂成形品に比べて軽量かつ高強度となる点が大きな特徴です。さらに、気泡の存在は断熱性や遮音性の向上にも寄与します。また、発泡成形は使用する樹脂の種類を限定しない汎用性の高い技術でもあります。ポリスチレンやポリプロピレン、ポリエチレンなどの汎用樹脂からエンジニアリングプラスチックまで、幅広い樹脂材料に適用可能です。
発泡成形の使用用途
発泡成形の使用用途として、建築・土木分野での活用、自動車分野での活用、包装・物流分野での活用の3つを解説します。
1. 建築・土木分野での活用
発泡成形は建築・土木分野において、断熱材や軽量構造部材として広く用いられています。例えば発泡ポリスチレン (EPS) は、優れた断熱性能から住宅や建築物の外壁や屋根の断熱材として広く普及しています。
2. 自動車分野での活用
自動車分野では、軽量化による燃費向上や衝撃吸収性による安全性の向上に活用されています。バンパーや内装材、シートのクッション材などに発泡ポリプロピレン (EPP) や発泡ポリエチレン (EPE) が使用されています。
3. 包装・物流分野での活用
包装・物流分野では、製品の保護や輸送効率の向上を実現しています。発泡ポリスチレン (EPS) は、その優れた緩衝性から、家電製品や精密機器などの輸送用梱包材として広く使用されています。