アルミ押出形材とは
アルミ押出形材とは、アルミニウム合金を高温で加熱し柔らかくなった状態でダイスと呼ばれる金型を通して押し出すことで任意の断面形状に成形された形材です。
アルミ押出形材は「押出成形」と呼ばれ、連続的に長い形材を製造できることが大きな特徴です。押出成形されたアルミ形材はその後、熱処理によって強度を高め、表面処理によって耐食性や美観を向上させる工程を経て製品となります。
アルミ押出形材は、その軽量性、高強度、加工性の良さ、耐食性、リサイクル性といった優れた特性から幅広い分野で使用されている重要な工業材料です。特に自由度の高い断面形状を比較的容易に製造できる点は、他の金属加工法にはない大きなメリットと言えるでしょう。
アルミ押出形材の使用用途
アルミ押出形材の使用用途として、建築分野、輸送機器分野、産業機器分野の3つを解説します。
1. 建築分野
アルミ押出形材は建築分野において多く使用されている材料の一つです。代表的な用途としては窓サッシやドアフレームが挙げられます。軽量でありながら高い強度を持つため、建物の軽量化に貢献するとともに耐震性向上にも寄与します。また耐食性にも優れているため、メンテナンスの手間を軽減し長期にわたって美観を保つことが可能です。さらに近年では、カーテンウォールやバルコニーの手すりなどにも意匠性の高さから積極的に採用されています。
2. 輸送機器分野
自動車、鉄道車両、航空機などの輸送機器分野においても、アルミ押出形材は重要な役割を果たしています。鉄道車両では車体構造材や内装材などに使用され、高速走行時の安定性向上や省エネルギー化に役立っています。
3. 産業機器分野
各種産業機器のフレームやカバー、コンベアのガイドレールなどにもアルミ押出形材は広く使用されています。精密機械や半導体製造装置など高い寸法精度が求められる分野においても、加工性の良さと安定した品質が評価されています。