ガラス繊維強化プラスチック

ガラス繊維強化プラスチックとは

ガラス繊維強化プラスチック (GFRP) とは、ガラス繊維を強化材として樹脂を固めた複合材料です。

ガラス繊維強化プラスチックは、他の繊維強化プラスチック (FRP) と比較して安価で加工性に優れているため、広く普及している材料です。FRP自体、軽量でありながら高い強度を持つことで知られていますが、ガラス繊維強化プラスチックはその中でも特にコストパフォーマンスに優れた材料として数多くの分野で採用されています。

ガラス繊維強化プラスチックの製造方法は、ガラス繊維をエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂などの熱硬化性樹脂で固めるのが一般的です。樹脂の種類によって耐熱性や耐薬品性などの特性が異なるため、用途に応じて使い分けられています。ガラス繊維強化プラスチックは形状の自由度が高く、複雑な形状の製品も容易に製造できるため、デザイン性が重視される製品にも適しています。

ガラス繊維強化プラスチックの使用用途

ガラス繊維強化プラスチックの使用用途として、建築・土木分野、輸送機器分野、スポーツ・レジャー分野の3つを解説します。

1. 建築・土木分野

ガラス繊維強化プラスチックは耐候性、耐食性に優れ、軽量であることから、建築・土木分野で広く使用されています。例えば建物の外壁材や屋根材として使用することで、建物の軽量化と長寿命化を実現することが可能です。また軽量で腐食しないため、メンテナンスの頻度を減らせ、ライフサイクルコストの削減にもつながります。さらに、加工性の高さから複雑な形状の建築部材にも適しており、デザイン性の高い建築物を実現することも可能です。橋梁やトンネルなどのインフラ構造物の補強材としてもガラス繊維強化プラスチックは有効です。

2. 輸送機器分野

軽量かつ高強度という特性を持つガラス繊維強化プラスチックは、輸送機器分野においても重要な役割を担っています。自動車では、ボディパネルやバンパー、内装部品などに採用され、車両の軽量化による燃費向上を実現しています。またデザインの自由度が高いため、複雑な形状の部品製造も可能です。鉄道車両では、軽量化と高速化が求められる新幹線の先頭車両などに使用されています。

3. スポーツ・レジャー分野

ガラス繊維強化プラスチックの軽量性、高強度、そして成形性の良さは、スポーツ・レジャー用品の製造にも適しています。テニスラケットやゴルフクラブのシャフト、釣竿などのスポーツ用品は、ガラス繊維強化プラスチックの採用により軽量化と強度の両立を実現しています。