砲金

砲金とは

砲金は、約90%の銅と約10%の錫を含む合金のことをいいます。砲金は、銅と錫という組成をもつことから、青銅に分類されます。

砲金は、高い靭性を有しており、大砲の砲身に使われていたことがありました。そのため、「砲金」と名付けられました。また、その事実に由来して、「ガンメタル」と呼ばれることもあります。

砲金は、靭性に優れている他、耐摩耗性や鋳造性、耐腐食性にも優れているといった特徴があります。さらに、砲金は、対海水性が高く、軸受特性にも優れているといった特徴も兼ね揃えています。

砲金に該当する青銅としては、CA401やCA402など、5種類が存在します。それぞれ、特徴や適した使用用途などが異なっています。 

砲金の使用用途

砲金は、機械的性質や耐食性、耐摩耗性に比較的優れているといった特徴があります。

そのため、砲金の使用用途としては、「バルブ」「コック」「注水器」「軸受」「歯車」「羽根車」「ブッシュ」「液体酸素用の製造部品」「ポンプケーシング」「ピストンリング」「温水器や湯沸し器の部品」「メーター部品」「圧延機ウォームホイール」「船舶用プロペラ」「製紙用ロール」「美術鋳物」「景観鋳物」「滑り軸受」「電動機器部品」「一般機械部品」「高弾性のばね材料」「船用の丸窓」「船舶部品」「印刷用の部品」「化学工業用品」「歯付き座金」「標識」「ボルト」「バネ座金」などといったように、非常に幅広い分野において利用されています。

砲金の特徴

青銅の中で、砲金に相当する組成のものとしては、「CA401」や「CA402」などの五種類が存在します。

「CA401」は、青銅鋳物系の銅鋳物で、バルブメタルとも呼ばています。湯流れや被削性に優れているといった特徴をもっており、バルブメタルという別名からも分かる通り、バルブによく利用されています。

「CA402」は、青銅鋳物系のうち、耐圧性・耐摩耗性・耐食性に優れた特性を持っている鋳物です。また、機械的性質も、青銅鋳物の中では優れているといった特徴があります。さらに、耐海水性にも非常に優れているため、海水が関わるポンプ部品等にも使用されています。

「CA403」は、青銅鋳物系の中で、耐圧性・耐摩耗性・機械的性質に優れているといった特徴があります。錫の含有量が比較的多いという特徴もあるため、耐磨耗性や耐食性が求められる環境下での使用が検討されています。「CA403」は、青銅系の中では、最も海水に強い材料でもあります。

「CA406」は、オンスメタルや鉛入りレッドブラスとも呼ばれています。青銅鋳物系の中では、耐圧性・耐摩耗性・被削性・鋳造性に優れた性質を示す材種です。また、「CA406」は、生産量が多く、非常に良く使われている銅鋳物の一つでもあります。

「CA407」は、青銅鋳物のうち、機械的性質が「CA406」より優れており、水蒸気用バルブ青銅とも呼ばれています。また、汎用性の高い「CA406」よりも、さらに高い性質を求められる場合に、「CA407」の適用が検討されることが多いです。 

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