丹銅

丹銅とは

丹銅とは黄銅と同様に亜鉛の合金ですが、黄銅と比較して亜鉛含有量が低いものをさします。具体的には亜鉛の含有量が3~20%の範囲内のものを意味することが多く、総じて赤みがかり、柔らかいという特徴があります。亜鉛が10%程度含有されたものをレッドブラス、15%程度含有されたものをゴールドブラスと呼びます。

JIS規格では銅合金に分類され、代表的なものではC2100、C2200、C2300、C2400が丹銅に該当します。亜鉛含有量が低いほど赤銅色と呼ばれる赤みがかった色合いとなり、亜鉛が10%程度含有されると黄色がかった赤、20%程度含有されると薄いオレンジ色となります。

丹銅の使用用途

丹銅は同様の金属からなる合金である黄銅と比較して、柔らかく加工性に優れるという特徴があります。また亜鉛の含有量によっても色は変化しますが、一般に赤みを帯びた見栄えの良い外観であることから、建材や装飾品・装身具といった用途に多く使われています。

またレッドブラスという別名にもある通り、丹銅はブラスバンドなどに用いられる金管楽器の代表的な材料としても知られています。これは丹銅の有する色調の美しさはもちろんのことですが、耐食性、加工性が良いという性質や、音が減衰しがたい性質を持っているためとも言われています。

丹銅の特徴

丹銅は黄銅と同様に亜鉛と銅の合金であることから、基本的な特徴は黄銅と類似しており、すなわち、良好な引っ張り強さ、延展性、導電性を有しており、鉄鋼材と比較して錆づらいという特徴があります。一方で丹銅は亜鉛の含有量が低いことから、柔らかい素材であり、硬度が必要な用途には用いられません。また、黄銅と比較して延展性、絞り加工性には優れるといわれています。

また丹銅の大きな特徴はその色にもあり、赤みを帯びた淡紅色の色調を呈します。これは黄銅と比較して銅の含有量が多いため、より銅に近い色調となったためであり、装飾品などに用いる際に利用されています。装飾品として用いられることも多い丹銅ですが、一定の耐腐食性を有するものの純銅と同様に空気中の酸素と反応して酸化し、緑青とよばれる青緑色の錆を発生することがあります。ステンレスなどの高い耐腐食性を有する合金と比較すると、腐食や酸化の可能性は高く、メンテナンスが必要です。

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