プラントメンテナンスとは
プラントメンテナンスは、石油プラントや化学プラントを始め、発電所、製鉄工場、自動車製造工場など、比較的大きな設備を持つ事業所で行われる、設備の安定稼働と故障・事故の防止を目的として行う活動のことです。
プラントで稼働する設備が、故障や事故によって停止すると、生産活動に大きな支障が出るとともに、場合によっては、その場所で働く従業員の健康や命に係わる事態も発生します。
プラントメンテナンスは、計画的に設備保全のための、点検、部品の交換、注油や掃除、設備の更新などを行うことです。これによってプラントを安定稼働させ、故障や事故の発生のリスクを低くし、生産品の品質と量を安定させる効果があります。
その一方で、メンテナンスの内容によっては、稼働している設備を一定期間停止させたり、正常な部品を交換する等、コストや生産量に負荷がかかる面もあります。
プラントメンテナンスの使用用途
プラントメンテナンスは、プラントや工場設備の安定稼働とそれによる生産品の量と品質の安定を図ることを目的に、様々な事業所で実施されています。
プラントメンテナンスには、予防保全、予知保全、改良保全、事後保全などの種類があります。
1.予防保全
予防保全は、定期的に点検や消耗部品の交換を行うことで、設備の故障を未然に防ぎます。予防保全のメリットは、突発的な故障による設備の停止を防ぐことと、作業の安全性を高めることです。反対に、部品の交換費用が掛かる、交換のために設備を停止しなければならないなどのデメリットもあります。
2.予知保全
予知保全では、設備を常時モニタリングして、騒音や振動の大きさの変化などから設備の故障の予知を行い、異常が見られた段階で、部品の交換や整備を行います。予知保全は、正常に稼働している部品を交換したり、計画的に設備を停止させる必要がなく、予防保全に比べてコスト面で有利です。その反面、予知をするためのセンサーや監視システムなどの初期投資が必要となることと、故障の兆候を発見できないリスクもあります。
3.改良保全
改良保全は、設備の安定性の向上、生産品の品質向上、エネルギー使用量の削減など、生産活動の向上を目指して、現存の設備を改善・改良してゆく取り組みのことです。改良保全は、継続的に続けて行くことで、モノづくりの生産性と品質を高める効果を期待できます。その一方で、時間と費用と労力を必要とします。
4.事後保全
事後保全とは、故障が起きてから修理やメンテナンスを行うことです。この場合でも、予め修理マニュアルを作成しておく、頻繁に壊れる部品をストックしておくなどの準備があれば、設備の復旧までの時間を短くできます。