油化装置

油化装置とは

油化装置とは、廃棄物となるプラスチックを熱分解または化学的処理をして燃料油へ変換する装置です。

一般的には廃プラを高温で加熱し、化学的に分解する原理です。プラスチックを加熱して、その分子構造を分解し、低分子の油やガスを生成します。通常は酸素が不足した環境下で、350〜700℃程度で加熱することで油化させます。これにより、プラスチックを燃焼させることなく、オイルやガスに変換します。

油化装置を利用することで廃プラを有用なエネルギー源に変換できるため、プラスチックの廃棄処理問題を解決可能です。プラスチックはリサイクルが難しく、埋め立てや焼却処理が行われがちです。油化技術を活用すると、プラスチックを新たな燃料にリサイクルできます。プラスチックの埋め立て・焼却は自然環境に悪影響を与えることが多いため、油化装置は環境価値の高い技術と言えます。

油化装置の使用用途

油化装置は主に廃プラのリサイクルとエネルギー回収に使用されます。その応用範囲は非常に広く、様々な分野で注目されています。以下はその用途の一例です。

1. 製造業

製造業では大量のプラスチック製品を生産しますが、その過程で不良品などによる廃棄物が発生します。油化装置はこの廃プラをリサイクルしてエネルギーに変換する手段として利用されます。特に自動車部品製造や家電製品などの分野ではプラスチックを大量に使用するため、廃プラの処理技術として有用です。

また、油化装置で得られるオイルやガスは、製造ラインで使用されるエネルギーとして供給可能です。これにより、製造コストが削減するとともに、環境負荷も低減します。場合によっては化学製品の原料として供給されることもあります。

2. エネルギー産業

エネルギー業界では、油化装置が再生可能エネルギー源として注目されています。産業におけるエネルギー源には、古くから石炭や石油などの炭素燃料が使用されてきました。これらの原料は地球温暖化などの原因となることが示唆されており、問題視されています。油化装置を使用することで、石油資源が限られている地域や、再生可能エネルギーの導入が進んでいない地域でも容易にクリーンな熱源を活用することが可能です。

3. 廃棄物処理業

廃棄物処理業では、廃プラの処理が大きな課題となっています。古くから埋め立てなどの処理が実施されてきましたが、広大な土地を消費することなどが問題視されています。油化装置を活用することで、廃プラを焼却や埋立てに頼らず、エネルギーに変換することが可能です。