電気泳動装置とは
電気泳動装置とは、タンパク質やDNA、RNAなどの生体分子を電気的な力で分離・解析するための実験装置です。
主にゲル媒体 (アクリルアミドゲルやアガロースゲル) を使用して、分子のサイズや電荷に基づいて分離する仕組みです。
電気泳動の基本原理は、電場の中で荷電した分子がその電荷の種類と大きさ、さらにはゲルの構造に応じて移動速度を変える現象に基づいています。電気泳動は生体分子の特性を評価や不純物の除去、遺伝子の解析、さらには医薬品の開発や法医学的調査にも使用されています。
電気泳動装置の使用用途
電気泳動装置の使用用途として、DNAやRNAの解析、タンパク質の分離、核酸やタンパク質の定量化、医薬品開発や品質管理、等電点電気泳動による分子特性評価の5つを解説します。
1. DNAやRNAの解析
DNAやRNAといった核酸の分離や解析は、電気泳動装置の用途の1つです。遺伝子配列の解析やPCR産物の確認など、ゲノム研究において使用されます。アガロースゲル電気泳動がよく使用され、目的の分子を視覚化するために染色試薬が用いられます。
2. タンパク質の分離
タンパク質分子のサイズや電荷に基づいた分離は、SDS-PAGE (ポリアクリルアミドゲル電気泳動) が主流です。SDS-PAGEは、タンパク質の純度の評価や特定のタンパク質を同定するために用いられます。
3. 核酸やタンパク質の定量化
電気泳動は分子の分離だけでなく、量的な評価にも使用されます。染色強度やバンドの幅を解析することで、試料中の分子の相対的な量を評価できます。
4. 医薬品開発や品質管理
電気泳動装置は医薬品の研究開発においても使用されます。特に、生物製剤や抗体医薬品の開発では、製品の純度や特性を評価するために広く使用されています。
5. 等電点電気泳動による分子特性評価
等電点電気泳動は、分子の等電点 (pI) をもとに分離する手法です。タンパク質の異なるアイソフォームを区別するのに使用されます。