ポータブル電源とは
ポータブル電源とは、内蔵されているバッテリーに電気を蓄え、様々な電化製品・電気機器に給電するために使用される電源装置です。
AC電源コンセントの差込口を複数備えており、携帯電話や身の回りの一通りの電化製品など、普通の壁付けコンセントと同じ感覚で給電することが可能です。災害時などの非常時に使用される他、キャンプやアウトドアなど、壁付けコンセントのない場所で使用されます。感覚的にはモバイルバッテリーと同様の仕組みですが、モバイルバッテリーよりも大きく、遥かに容量の大きい製品です。発電機と異なり、充電/放電で動作するため、発電機能はありません。
ポータブル電源の使用用途
ポータブル電源の主な用途には下記のようなものがあります。
- 停電時の非常用電源として電力を確保する
- 災害時の避難生活で電源として使用する
- キャンプやアウトドアで電源として使用する
- 車中泊で電源として使用し、電気を使う
- 太陽光発電から充電した電源として使用し、節電に活用する
主には、電源のない場所で安定した電源を確保するために使用されます。例えば、停電時には、暖房器具 (冬) や、扇風機やポータブルクーラー (夏) などを稼働させたり、電気ケトルや電子レンジなどで簡易的に調理を行ったりすることが可能です。
また、キャンプ・アウトドアシーンでは、
- スマートフォンを充電する
- 照明器具で灯りをとる
- 調理を行う
- DIY機器を稼働させる
- ポータブルクーラーを稼働させる
などにより、便利に使用することができます。
ポータブル電源の原理
ポータブル電源には現在主に下記の2種類のリチウムイオン電池が使用されています。
- コバルト系・三元系 (NCM) のリチウムイオン電池
- リン酸鉄リチウムイオン電池 (LiFeP04)
通常、概ね200Wh/20Ah (20,000mAh) 以上の容量があります。これは、モバイルバッテリーの数倍から数十倍です。 大型であり、モバイルバッテリーのようにポケットやカバンに入れて持ち運ぶことは難しくなっています。
本体にはインバータが内蔵されており、直流電力から交流電力へ変換することで電気を供給する仕組みとなっています。家庭用のACコンセントや車のシガーソケット、ソーラーパネルで充電が可能です。蓄えられた電力は、AC出力、シガーソケットのDC出力、USB-A・USB-Cなどの端子により、中小規模な電化製品と接続して給電することが可能です。
ポータブル電源の選び方
1. 容量
ポータブル電源は、様々な容量の製品があります。容量が大きくなるほど、サイズ・重さ・価格が上がるため、用途に合った適切なものを選択する事が必要です。用途別の主な目安は下記の通りです。
- 日帰りのアウトドア: 200Wh~
- 宿泊するキャンプ: 500Wh~
- 災害や停電時における非常用電源: 1,000Wh~
2. 充電
主には、ACコンセントや、ソーラーパネルからの充電が可能です。それ以外では、シガーソケットやUSBポートからの充電に対応したモデルもあります。車中泊など、車内での充電や、屋外での充電を利用シーンとしているかなどが選定要素となります。
3. 消費電力
ポータブル電源に接続して使用する電化製品の消費電力が、ポータブル電源の定格出力を超えると、電化製品の運転が止まってしまいます。ポータブル電源を選定する際は、使いたい機器の消費電力を確認することが必要です。接続機器の上振れ幅を見越して、ポータブル電源は1ランク上の出力製品を選ぶことが良いとされます。例えば、接続機器側消費電力が1,000Wの場合、ポータブル電源側は出力1,500W以上のものが適切です。
4. 出力数・安全性
出力ポートは、AC100Vコンセント、USB、シガーソケットなど必要なものが備わっているかどうか、必要な数が足りているか、確認することが必要です。特に、災害時の使用を想定している場合、人数分のスマートフォンが充電できるかや、暖房器具を使いながら電気ケトルが使用できるか、など具体的な使用シーンを想定しながら適切なものを選択することが必要となります。
安全性の上では、電気用品安全法 (PSE) マークがあるか、防災製品等推奨品認証を取得しているかなどが目安になります。充電可能回数も事前に確認しておくと安心です。