ステンレス作業台

監修:株式会社クラフトワーク

ステンレス作業台とは

ステンレス作業台

ステンレス作業台とは、ステンレス鋼で製作された作業台です。

ステンレスは強固で耐久性が高い素材です。耐腐食性があり、錆びにくいため、湿気や化学物質などの様々な環境条件にも耐えることができます。これにより、長期間にわたって安定した使用が可能であり、定期的な交換や修理の必要性が少ない点が特徴です。

また、表面は非常に滑らかで、微細な隙間が少ないため、汚れや細菌が付着しにくく、簡単に清掃・消毒が可能です。衛生管理を強化することが可能なため、食品業界や理化学業界で広く利用されています。

ステンレス作業台の使用用途

ステンレス作業台は様々な用途で使用されます。以下はその一例です。

1. 食品加工業

食品の加工や包装作業のためのSUS430作業台が多く使用されています。衛生管理が厳格な環境であり、ステンレスの耐腐食性と衛生的な特性とSUS304製よりも安価なSUS430製が重宝されています。近年では耐久性と更なる清潔さを求めて,SUS304製やステンレスに銅(Cu)を添加した抗菌ステンレス作業台も使用されることが増えてきました。また、レストランや大量調理施設での調理作業において、耐久性と清潔さからステンレス作業台が使用されることも多いです。

2. 研究・開発

研究・開発の場では化学的に安全で耐久性があり,重量のある機器を載せて作業することのできるクリーンなステンレス作業台が使用されています。

クリーンルームでは安全性が高いR曲げ天板やエアーの流れを妨げないステンレスパンチング作業台のクリーンパンチングテーブルが使用されることが多いです。

薬品の混合や反応を行う際に、化学的に安全で耐久性のある作業台が必要です。ステンレスは化学薬品に対して耐性があり、表面が簡単に清掃・消毒できるため、実験の安全性と品質管理を向上させます。

ステンレス作業台

3. 工業

機械部品や製品の組み立て及び加工作業のための作業台として使用されます。強度と安定性が高いため、大型の機械や部品を安定して保持することが可能です。また、化学薬品を使用する場面でも腐食しにくいため、清掃も容易です。

4. 医療

ステンレス作業台は手術で使用する器具や消毒物の保管と準備に使用されます。消毒が容易なため,汚染リスクを低減することが可能であり,手術室の衛星維持に貢献します。ステンレス作業台上は手術中や点滴処置準備などに必要な機器を整理し,外科医や看護師が効率的に取り扱えるよう支援する重要な用品です。

ステンレス作業台の原理

ステンレス鋼は非常に強度があり、耐久性が高い素材です。これにより、作業台は重い物や機器を安定して支えることができます。一般的にはSUS0304またはSUS430などのステンレス鋼で製造されることが多いです。

ステンレスの主成分は鉄ですが、クロムも含有されています。このクロムによって形成される表面の酸化皮膜が、腐食や錆びを防止する仕組みです。さらに、ここにニッケルを添加することで、加工性や靭性及び高温強度を向上させていることが多いです。

ステンレスの表面は平滑で、簡単に洗浄や消毒ができます。これにより、衛生的な状態を保つのが比較的容易です。また、平滑な特性から、ステンレス台上で作業するのにも適しており、作業台として販売されることが多いです。

ステンレス作業台

ステンレス作業台の選び方

ステンレス作業台を選ぶ際は、以下の要素を考慮することが重要です。

1. サイズ

作業する内容や必要な作業スペースに応じて、適切な幅と奥行きを選びます。例えば、大型の機器や複数の作業道具を置く場合は広い作業面が必要です。加えて、作業台を設置するスペースや配置も考慮して選定します。

2. 耐荷重(天板の板厚)

耐荷重は作業台の上に乗せることができる最大の重量です。重い機械部品や道具を置く場合は高い耐荷重性が求められます。ステンレス鋼は面積当たりの耐荷重が高いため、重量物を乗せることに適している場合が多いです。天板の板厚は1.0t、1.2t、1.5tのものが多くあります。

予期しない負荷にも対応できるように安全マージンを考慮することも推奨されます。作業台の長期的な耐久性と安全性を確保するためにも、余裕をもって選定することが重要です。

3. 色

ステンレス作業台は一般的に銀色です。環境や用途によって表面研磨処理の種類を選ぶこともあります。光沢のある仕上げの#400研磨やBA仕上げやマットな仕上げのHLなど、用途や好みに応じた表面処理を選ぶこともできます。

4. 高さ

作業台の高さは作業者の身長や作業姿勢に合わせて調整する必要があります。一般的に座って作業する作業台の高さは740mmや750mm,立って作業する立ち作業台の高さは1000mmが主流です。高さが調整可能な作業台を選ぶことで、複数の作業者が快適に使用することが可能です。

本記事はステンレス作業台を製造・販売する株式会社クラフトワーク様に監修を頂きました。

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