電磁界解析ソフト

電磁界解析ソフトとは

電磁界解析ソフトとは、マクスウェル方程式をPC上で解くことにより、対象物にかかる電場や磁界を数値的に解明するソフトです。

ソフトには無料で使えるフリーソフトとライセンス料を払う商用ソフトがあります。電磁界解析で代表的なソフトは、商用ソフトであるJMAGです。

自動車用ワイヤハーネスの電磁環境両立性(EMC)、モーター、5G関連の高周波解析など、電磁場解析の需要は様々な分野であります。

また電磁場単体ではなく、振動解析などと組み合わせて複合的に解析する、連成解析も行われています。

電磁界解析ソフトの使用用途

電磁場解析の代表例として、EMC解析があります。

EMCとは電磁環境両立性のことで、他の機器に対して電磁的な妨害を与えない性能と、他の危機から与えられる電磁波に影響されない性能、両方のことを指します。

EMCが達成できていないと機器の動作が遅くなったり、逆に誤作動を起こしてしまったりするので、場合によっては重大な被害を及ぼすことがあります。

EMCの達成度合を確認するため測定が行われていますが、測定条件によりEMCの精度が変わってしまう問題があります。他にも測定に時間がかかることがデメリットです。

解析では理想条件を設定することができるため、精度の問題を気にせず、また実測よりも短時間ですむというメリットがあります。

電磁界解析ソフトの原理

電磁場解析の元になっているマクスウェル方程式は、4つの法則から成り立っています。

1つ目の法則は、ガウスの法則です。ある空間の電場から出る電気力線の本数は、空間内に存在する電荷を、真空の誘電率で割ったものと等しくなります。

2つ目の法則は、磁場に対してガウスの法則を適用したものです。電荷は存在するが、磁荷は存在しないことを意味し、磁界は常にN極とS極がセットになって存在します。

3つ目の法則は、ファラデーの法則です。この法則は、変化する磁場から電界が発生することを意味します。

4つ目の法則は、アンペールの法則です。電流が流れる時、磁場が右ねじの進む方向に発生することを意味します。

低周波と高周波の時でマクスウェル方程式の解き方が変わります。高周波では電場と磁場に相互作用が発生するため、両方を解く必要があります。一方で低周波では式を近似して、電場成分と磁場成分に分解することができます。高周波は両方解く必要があるので、低周波よりも複雑な現象になります。

参考文献
https://www.terrabyte.co.jp/soft/sol-ele.htm
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jiep1998/4/5/4_5_354/_pdf/-char/ja
https://sei.co.jp/technology/tr/bn175/pdf/sei10584.pdf
https://www.oeg.co.jp/emc/emc.html
https://www.emc-ohtama.jp/emc/doc/emc-introduction.pdf
https://www.panasonic.com/jp/corporate/technology-design/ptj/pdf/v5601/p0207.pdf
https://ednjapan.com/edn/articles/1011/01/news116_3.html
http://www-het.phys.sci.osaka-u.ac.jp/~tanaka/emIge/2011/section5_1.pdf
http://www.toei-si.jp/yshimada/shimada_note_01.html

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