水量計

水量計とは

水量計

水量計とは、液体・機体・その他の質量や体積の流量を測定するための機器です。

流量計とも呼ばれ、機器を選定する際には使用目的を明確にし、精度、測定レンジ、必要なセンサなどを選びます。水量の監視や制御の場合は高精度なものは不要ですが、塗布量や噴霧量の管理の場合には必要です。

計測方法には時間当たりの体積変化を計測する「体積流量」と時間当たりの質量変化を計測する「質量流量」があります。品質管理や機器の異常を早期発見して、装置の保護や水量の把握によるコストダウンの観点から水量管理は重要です。

水量計の使用用途

水量計はプラントや製造現場で給水・排水管などの配管設備の水量管理に使用されており、屋外に設置する場合には屋外環境対応のものや大口径でより大流量で高圧対応した機器を選定します。

金属加工や半導体製造現場での冷却水や洗浄水の流量管理が品質管理の観点からも重要になり、詰まりやメンテンス性や精度を考慮して機器を選定可能です。

水以外の塗布液や潤滑油などの場合は工程管理の面から、より精密な流量管理が可能な機種を選定します。その他食品業界、化学業界、製紙業界の製造でも使用されています。

水量計の原理

水量計の原理は、測定方式によって異なります。

1. 超音波流量計

配管の二か所から超音波を送受信させ、伝播時間の差から計測します。

2. 電磁流量計

磁場の中を導電性液体が移動した起電力を計測し、水量を測ります。計測原理にファラデーの電磁誘導の法則が用いられています。

3. 面積式流量計・浮き子式流量計

上下する浮き子の位置で水量を測定します。

4. コリオリ式流量計

u字パイプに水を流し、パイプのねじれ量を比較して水量を測ります。

5. カルマン渦式流量計

柱状の渦発生体を水が通るときに渦が発生し、その個数を検出し水量を測定します。

6. 羽根車式流量計

羽根車が回ることで発生するパルスを電圧信号として変換し水量を測ります。

7. 差圧式流量計・オリフィス流量計

水が絞り弁を通過する際の前後の圧力差を検出し水量を測定します。ベルヌーイの定理によって、2点間の差圧の平方根を取るため、正確に水量を計算可能です。

水量計の種類

水量計には測定する原理によって、多種多様な種類があります。方式別に特徴が異なり、メリットやデメリットがあります。

1. 超音波流量計

配管の外側に取り付けられ、屋外配管などの測定に利用されています。可動部がないため、メンテナンスが簡単で、デジタルやアナログに対応可能です。ただし気泡などの影響で、誤差が生じやすいです。

2. 電磁流量計

圧力損失が小さく、流れの方向を計測できます。

3. 面積式流量計・浮き子式流量計

シンプルな構造であり、低価格で導入可能ですが、精度はあまり高くありません。

4. コリオリ式流量計

粘度や密度の変化を受けにくく、応答速度が速いです。ただし高価で、圧力損失が大きいです。

5. カルマン渦式流量計

可動部がなくてシンプルな構造ですが、振動に弱いです。

6. 羽根車式流量計

大型の水道メーターで使用されています。

7. 差圧式流量計・オリフィス流量計

シンプルかつ安価で、取り付けや取り外しが容易です。その一方で、圧力損失が生じ、固体が混入した液体や小流量の計測に向きません。

水量計の選び方

水量計には数多くの種類があるため、目的に合った製品を選択する必要があります。まず測定目的を明確して、水量計に求める精度を把握します。例えば、体積流量の監視では瞬時流量が表示され、高精度はあまり必要ありません。そしてアラートが出る誤差を細かくすると、逆に使い物にならないためです。

次に実際に設置する環境の細かい条件を考慮します。具体的には、電源、出力信号、設置場所などが重要です。

最後にコストを比べて決定します。本体の価格だけではなく、関連機器の価格、設置費、保守作業費などもトータルで比較して決定する必要があります。

参考文献
https://www.keyence.co.jp/ss/products/process/flowmeter/
https://www.jp.omega.com/prodinfo/flowmeters.html
https://www.fujielectric.co.jp/products/instruments/products/flow_ultra/box/doc/pdf/top/application_case.pdf

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