無垢フローリング

監修:ボード株式会社

無垢フローリングとは

無垢フローリングとは、無垢材を材料としたフローリング、すなわち一枚板を切り出して製造されたフローリングのことです。

合板でできた一般的なフローリングを複合フローリングと呼びます。無垢フローリングは、複合フローリングよりも木材の持つ柔らかい肌触りや温もりなどを感じられることが特徴です。

また、一枚一枚に違った表情が出やすく、天然の木目の表情や色味の違いなどを生かした雰囲気づくりをすることができます。熱伝導性が低く断熱性に優れることから、素足で歩いた際には質感の心地よさを感じることが可能です。

無垢フローリングの使用用途

無垢フローリングは、一般的な複合フローリングよりも高級で木材の風合いを楽しめるフローリングとして使用されます。一般住宅の他、ホテル、商業施設、オフィスフロアなどで、高級感のある空間づくりをしたい際に導入されています。また、保育施設・幼稚園・学校など、素足で歩いた際の質感と無垢材の温かみが重視される教育施設でも積極的に採用される床材です。

武道場やダンススタジオなど、素足での使用が多くなる運動施設にも積極的に導入されます。また、寺社などの和風建築でも施工実例があります。いずれの場合も、新築・リフォーム工事共に使用することが可能です。

無垢フローリングの原理

1. 概要・製造

無垢フローリングとは、伐採した木材をそのまま一枚板の木材に加工して製造されるフローリングです。製造の工程は大きく分類して下記のようになります。

  • 原木伐採・製材
  • 乾燥 (天然乾燥・人工乾燥)
  • 裁断加工・研磨加工 (厚み・幅・裏溝加工)
  • 塗装

伐採された原木は曲がりや反りが無いよう水分調整されながら製材され、板の含水率約10%を目安に蒸気式乾燥釜で乾燥させます。長辺・短辺の加工とともに裏溝加工が行われますが、この裏溝加工の役割は、表面の割れ止めや反り止めなどです。施工時に余分な接着剤をこの裏溝に逃がすこともできます。表面は補修やサンディング処理によって滑らかにされ、オイルステインやウレタン塗装などの塗装を施された後に出荷されます。

2. 特性

無垢フローリングは天然の一枚板であるという特徴から、下記のような特徴があります。

  • 材料木材特有の風合い
  • 木材自体の特性による経年での色の変化
  • 熱伝導率の低さと優れた断熱性
  • 調湿作用
  • 修復がしやすい

無垢フローリングは、1枚1枚違った木目や節などが出るため、材料木材の風合いを楽しむことができます。木材特有の香りが楽しめることも特徴です。また、木材は経年によって色が変化し、樹種によっては色が濃く、赤みが増し、樹種によっては色が薄くなり白っぽくなります。このように天然素材の雰囲気を味わうことのできるフローリング材です。

また、熱伝導率が低く断熱性に優れているため、素足で触れても冬は冷たく感じにくく、夏はべたべたしにくいという点も特長の1つです。また、水分を吸収・放出する調湿作用があります。夏の高温多湿の際には水分を吸収して部屋の湿度を下げ、冬の乾燥の時期には無垢材から水分を放出するため、室内の快適性を上げる効果があります。

無垢フローリングの種類

1. 樹種

無垢フローリングには、様々な樹種の木材が用いられます。スギ、ヒノキ、パインなどの針葉樹の樹種は、材質が柔らかい傾向にあり、明るめの色が多いです。一方、広葉樹は木が締まっており、硬く耐久性に優れている傾向にあります。無垢フローリングに用いられる代表的な広葉樹の樹種は、オーク、アカシア、メイプル、ウォールナット、バーチ、チークなどです。チーク、ブラックウォルナット、マホガニーは、特に三大銘木として知られています。

2. 塗装

表面の塗装仕上げは大まかに2種類です。オイルステイン・自然オイル仕上げなどと呼ばれるものは、植物油などを原料とした自然塗料で、木材に染み込ませて保護するものです。無垢材の質感や風合いを感じることができますが、こまめなお手入れと年一回程度のオイル塗布が必要となります。

ウレタン塗装仕上げとは、ウレタン系の合成樹脂を主成分とする塗料で、無垢材の表面に薄い膜をつくります。オイルより無垢材ならではの風合いなどは減るものの、耐水性、傷に強いなどに優れています。

3. その他

使用される建築物・施設による種類、貼り合わせ方の違いなどがあります。例えば、武道場用では通常より厚手の無垢フローリング材が用いられます。貼り合わせ方には、通常のユニタイプの他、乱尺、ヘリンボーン、パーケットなどがあります。

本記事は無垢フローリングを製造・販売するボード株式会社様に監修を頂きました。

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