導光板

監修: 株式会社ミヤカワ

導光板とは

導光板とはLEDなどの光源を板の端面から入射し、表面を発光させる光学部品のことです。

板の表面が平滑であると、入射した光は全反射を繰り返し、入射した反対側に光が抜けていきます。この平滑面上に光の方向を変更する加工を行うことで、表面を発光させることが可能になります。

導光板は主に「透過型液晶」の背面に設置され、液晶を照明する「バックライト方式」で使用されることが多く、液晶をムラなく光らせる均斉度が高い導光板が求められます。

近年では、消費電力が少なく軽量化が可能な、「反射型液晶」を使用した製品需要も増加しています。反射型液晶に使用される導光板は、液晶の前面に設置される「フロントライト方式」のため、透明度の高い導光板が求められます。しかし、透明度の高い導光板は加工が非常に困難な為、製造出来るメーカーは限られています。

電子機器の開発サイクルは今後も一層短くなることが予想され、新製品の優位性を確保するために、導光板においても短期間での開発が求められます。

導光板

導光板の使用用途

バックライト方式

主に「透過型液晶製品」の照明として使用されています。液晶テレビ、スマートフォンのような製品から、店舗看板、ポスターパネルなどの照明として使用されています。シーリングライトなどの一般照明としての需要も増加しています。

導光板

フロントライト方式

主に「反射型液晶製品」の照明として使用されています。電子ペーパーや、ウェアラブル端末、デジタルサイネージ(電子看板)に使用されています。フロントライト方式の新たな用途として、「画像処理検査装置」の照明としての用途が注目されています。透明度の高い導光板を使用することで、ワークに対し広い視野を確保しつつ、全体を均一に照射することが可能になります。

導光板

導光板の製造方法

導光板を使用する目的や数量によって製造できるメーカーも様々あります。

射出成形方式

従来からある一般的な方式です。大量生産の場合、安価に製造が可能です。但し、最適な光学パターンが生成されるまで繰り返し金型の修正が必要になります。

主な用途:液晶メーター、アミューズ製品、スマートフォン

導光板

レーザー加工方式

レーザー加工機を使用し、板の表面に「ドット」や「溝」を彫刻することで面発光する仕組みです。加工が可能なメーカーも多く、金型や版が不要なため安価で製造が可能です。高い均斉度を要求されない安価な製品用途で多く使用されることが多いです。

主な用途;店舗看板のバックライト、ポスターパネル、棚板、シーリングライト

スクリーン印刷方式

印刷版を使用し、板の表面に「反射ドット」を印刷して反射させる仕組みです。版は必要になりますが、成形金型よりは安価になります。版のメッシュの大きさに限りがあるため、高い均斉度を要求されない安価な製品用途で多く使用されることが多いです。

主な用途;店舗看板のバックライト、ポスターパネル、棚板、シーリングライト

インクジェット レンズ印刷方式

導光板製造方法で最も新しい方式。インクジェットプリンターを使用し、板の表面に「光学レンズ」を生成します。レンズの直径は約32μm~と極小のため、均斉度の高い配光設計が可能です。最大の特徴はレンズ自体が透明なため、他の製造方法では難しい透明度の高い導光板が製造可能です。また、インクジェットプリンターを使用し、金型や版が不要なため、短納期、少量での対応が可能になります。但し、製造できるメーカーが限られており、店舗看板のバックライトのような安価な製品用途には向かないです。

写真のような高精細な印刷が可能なことから、導光板単体で店舗ディスプレイに使用される需要も増加しております。

主な用途;電子リーダー用、アミューズ製品、画像検査処理装置、量産前試作、店舗ディスプレイ

導光板

導光板

導光板には様々な製造方法がある一方、目的に応じた製造方法が選ばれていないケースも多いです。導光板の選定にお困りの時は、まずはメーカーにサンプル試作を依頼し、比較評価する方法が良いと思います。

本記事は導光板を製造・販売する株式会社ミヤカワ様に監修を頂きました。

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