監修: キャロルシステム株式会社
バックアップツールとは
バックアップとは、別のデバイスやクラウドにデータのコピーを保存する仕組みです。
クラウドとは、インターネットを経由してプラットフォーム機能を提供するサービスのことを指します。コンピュータやスマートフォンなどの電子機器は、デバイス内部にデータを保存します。
内部データやデバイス本体が破損した際は、データの復元が困難となる場合も多いです。この問題の解決手段としてバックアップツールが挙げられます。
バックアップツールの使用用途
バックアップツールには様々な使用用途があります。例えば、iphoneのicloudが挙げられます。icloudはバックアップとしても活用できるサービスです。
その他にも、LINEのトークをバックアップする機能もあります。これらはインターネット経由でのバックアップ機能ですが、インターネット不使用でもバックアップは可能です。
例として、外付けのバックアップ機器が挙げられます。バックアップ機器は、パソコンに有線で接続して内部データをバックアップ機器にコピーして保存する方法です。
この他にも、CD-RやDVD-R、USBメモリを使用する方法もあります。AndroidにはSDカードを利用したバックアップ機能が実装されているため、アプリを利用せずにバックアップすることが可能です。
バックアップツールの原理
データ保護は、一般的にUS-CERT (United States computer emergency readiness team:米コンピューター緊急事態対策チーム) が2012年の10月に公表した「Data Backup Options:3-2-1rule (3-2-1ルール) 」をもとに考えられています。
3-2-1ルールは、以下の通りです。
- ルール3:データを保護する際は、対象ファイルの他に2つ以上のコピーファイルを作成する。
- ルール2:データの保管先は2つ以上の異なる媒体 (クラウドやバックサップサーバーなど) を選択する。
- ルール1:データの保管先をオフサイトにする。
これら3つのルールを遵守すると、機器の故障時もデータを保護できる可能性が向上します。近年、被害が拡大しているランサムウェアの対策にもなります。万が一、デバイスがランサムウェアに感染しても、安全に保護されたバックアップデータがあれば迅速な復旧が可能です。
バックアップの方法には、以下のような種類があります。
- システムを丸ごとバックアップするフルバックアップ
- データの差分を定期的にバックアップする差分バックアップ
- バックアップしたデータを上書きせずにバックアップを行う増分バックアップ
- 元のデータと同期しながらバックアップを行うミラーバックアップ
バックアップツールとRAID
データのバックアップには、古来よりRAIDという考え方があります。RAIDとは「Redundant Arrays of Inexpensive Disks」の略であり、複数台のハードディスクでデータを保護する仕組みです。
先述したクラウドツールも、提供会社が自社内でRAIDを利用してデータを保護します。RAIDにはRAID0からRAID6まで種類があり、主に0,1,5,6が使用されます。以下に概要を示します。
- RAID0 (RAIDなし)
データを保護しない保存方法です。データやデバイスが故障したら復元できません。 - RAID1
1つのデータを2つのデバイスに同時に書き込みます。1つのデバイスでデータを紛失しても同じデータがもう1つのデバイスに書き込まれており、復元できます。 - RAID5
『パリティ』と呼ばれる復元用記録データをデバイスに記録させながら保存します。複数台デバイスのうち1つが故障してもデータを復元できます。 - RAID6
RAID5と同様にパリティを書き込みながら保存します。RAID6では複数台デバイスのうち2つが故障してもデータを復元できます。
ただし、RAID5よりも記録可能なデータ容量が少なくなります。
バックアップツール会社は上記のRAIDを利用して、バックアップしつつもデバイス容量を有効活用しています。
本記事はバックアップツールを販売するキャロルシステム株式会社様に監修を頂きました。
- キャロルシステム株式会社の会社概要はこちら
- キャロルシステム株式会社のバックアップ製品紹介ページはこちら