カシメ機

カシメ機とは

カシメ機

カシメ機とは、2つの異なる部品を接合する「カシメ」と呼ばれる固定方法を行うための専用機械、または工具です。

カシメは「加締め」とも表記され「ハトメ」とも呼ばれます。カシメは2つの重ねた部品に共通の貫通穴の開け、柔らかい金属でできたリベットを差し込み、リベットの端部を押し広げるように変形させて、穴から外れないように固定する方法です。カシメ機はリベットで部品同士を固定するため、リベッターとも呼ばれます。

カシメは部品同士が動かないように固定することもできますが、リベットを中心軸として、互いに回転運動できるように固定することもできます。また、ねじ締結とは異なり、一度固定したら外すことはできません。

カシメ機の使用用途

カシメによる固定は、古くは戦国時代の武士が着用した鎧にも使用されていました。現在でも、カシメの使用用途は多岐にわたります。カシメが使われている製品として、ランドセルやジーンズ、電車、橋の鉄骨、洋服、電子部品、住宅設備、ハサミや車輪の可動部、プラスチック部品などが挙げられます。

これらの製品に対してカシメを行うために、それぞれの生産工場や建築現場において、カシメ機が使われています。

カシメ機の原理

カシメはリベットの端部を押し潰して、貫通穴から抜けないように変形させる固定方法であり、カシメ機はリベットの端部を押し潰す役割を果たします。カシメの方法には、以下に示す大きく3つの方法があり、カシメ機の原理もそれぞれ異なります。

1. ブラインドリベット

一方からしか作業出来ない場合に用いる方法です。ブラインドリベットでは、フランジがついたリベットボディに貫通しているマンドレルを引き抜き、リベットボディの端部を変形させることによってカシメます。

リベットの軸部分は比較的細いため、強度は同リベット径と比較すると弱いとされます。逆にDIYなどでも使える工法です。ブラインドリベットのリベット機は、マンドレルを引っ張り、さらに余分なマンドレルのシャフト部分を切断する役割を担います。一般の方でも使えるハンドタイプの工具が主流です。

2. プレスカシメ

プレスカシメは、リベットの軸側の方向から圧力を加えてリベットを変形し固定する方法です。リベット全体が押しつぶされるため軸部も太くなり、強い結束力が得られます。逆にリンク機構のような動きには不向きです。

プレスカシメを行うカシメ機は、リベットを高い圧力で押し潰さなければなりません。そのため、加工時に大きな音と振動が発生します。

3. スピンカシメ

スピンカシメは、加圧時に回転させながらリベットの端面を変形させて固定する方法で、プレスカシメよりも弱い力で固定が可能です。また軸部が太くなりにくいので、リンク機構として可動が求められる部位に向いています。

スピンカシメを行うカシメ機は、リベットを撫で回すように回転運動をしながらリベットを押しつぶしていきます。プレスカシメよりも、比較的小さな力でリベットを変形させることができるため、高い寸法精度が求められる部位にも、適した工法です。

 

さらに、プラスチック製のリベットを用いる際には、熱溶着や超音波溶着などを行うカシメ機もあります。

  • 熱カシメ機 (熱溶着機)
    プラスチック部品のカシメで使用されます。
  • 超音波溶着のカシメ機
    プラスチック部品のカシメで使用し、境界面のみ摩擦熱でカシメをする方法です。

カシメ機の種類

カシメ機は駆動方法によって、3つに分類されています。

1. 油圧タイプ

最もスタンダードなタイプです。機器も能力や条件に合わせて豊富な種類がありますが、部品が多くメンテナンスも必要になります。

2. 空圧タイプ

油圧タイプと比較すると小型なので、小さなサイズの作業に向いています。

3. 電動サーボタイプ

電動制御なので、工程をPC上で細かく作業管理可能です。極小の精密部品の作業に対応し、振動音も少なく、高精度な繰り返し作業に向いています。

参考文献
http://kokiriveting.com/about-riveter/
https://www.cap-jpn.com/
http://www.izawa-seisakusho.co.jp/business2.html

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