CCTVレンズ

CCTVレンズとはCCTVレンズ

CCTVレンズとは、CCTVカメラ (Closed Circuit Television) 用のレンズです。

CCTVカメラは閉回路テレビなど、撮影された映像が特定の受像機 (TVモニタ) にだけ送信されるカメラのことで、建物内の監視カメラや防犯カメラに多く用いられています。CCTVレンズはあらゆる被写体に対して、バランスの撮れた収差補正を行うため、広範囲の画像を読み込むのに適しています。

CCTVレンズの使用用途

CCTVレンズは、CCTVカメラに用いられます。CCTVカメラが用いられるのは主に監視カメラ防犯カメラなどセキュリティ用途です。

セキュリティ用途以外では、道路状況の監視、画像認識、バーコードスキャン、ハイスピード画像処理、医療用、マシンビジョン・ロボットビジョン用などが挙げられます。近年は、カメラの高画素化に対応したメガピクセル対応や、赤外線等の特殊波長域のコーディング対応も可能となっています。

CCTVレンズの原理

CCTVレンズは従来、監視用を主なる目的としているため、あらゆる被写体距離に対して、バランスの取れた収差補正を行っています。その結果、倍率固定型テレセントリックレンズマクロレンズに比べて場合、個々の物理的特性が劣ることもあります。また、又汎用レンズとして外観も重視されており、外形寸法も大きめです。

CCTVレンズの種類

CCTVレンズも一般的なカメラレンズと同様に、複数の焦点距離のレンズが用意されています。焦点距離が短ければ視野が広くなり、焦点距離が長くなれば、望遠レンズとして視野は狭く、遠くの対象物を大きく映すことができます。

また、CCTVカメラの撮像素子は、撮像素子の大きさによっても種類分けされています。CCTVカメラの撮像素子のサイズの多くは、1/1.8インチ、2/3インチ、1/2.7インチ、1/3インチ、1インチです。カメラと接続するためのマウントには、CマウントとCSマウントの2種類があります。

CCTVレンズのその他情報

1. CCTVレンズの倍率

倍率とは、一般的に光学倍率を指しており、カメラサイズと視野の比率のことです。カメラサイズとは、ピクセルサイズに有効画素数を乗じたもので、対象物を何倍して撮像するかということです。倍率の計算に必要になる情報は、W.D. (ワークディスタンス、レンズから被写体までの距離) と焦点距離 (レンズからカメラ素子までの距離) があります。

被写体までの距離が同じ場合、焦点距離が短いほど広視野となり、広角レンズと呼ばれます。また、同じ大きさの被写体を映した場合、焦点距離が長いほど、ワークディスタンスも長くなり、望遠レンズと呼ばれます。

このようにカメラとレンズの選定では、倍率選択を最初に行い、そのあとに設置条件に合わせたレンズやカメラを選択していくことになるため、用途に合わせた適度な倍率設定が選定の第一条件です。

2. CCTVレンズの焦点距離

カメラとレンズの選定では倍率決定後、設置条件によりレンズとカメラを選定していきます。カメラの選定では、基本的に画素数とCCDサイズから選択していきますが、レンズの場合はワークディスタンスや必要視野、焦点距離を考慮して選択することが必要です。

工業用設備でのカメラ使用では、焦点距離が固定のレンズが多くなります。そのため、使用できるワークディスタンスには範囲があり、使用範囲内で必要視野になるレンズを選定しなければなりません。

一般的に焦点距離が長いほどワークディスタンスも長くなります。CCTVレンズは高倍率用途には不向きなので、高倍率で撮像する場合は、マクロレンズなどが有効です。また、レンズとカメラの間にスペーサを入れて、焦点距離を延ばすこともできます。メーカーの技術資料には、スペーサを使用した場合の視野とワークディスタンスも記載されています。

カメラとレンズの設置では、焦点を合わせるためにワークディスタンスで調整するのが一般的であり、撮像方向に調整ができる手動ステージなどに取り付けると、調整時に便利です。

参考文献
https://uniel-denshi.co.jp/REPORT/CCTV-ABC/CCTV-ABC.html
https://vst.co.jp/support/lens-choice/

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