信号変換器

信号変換器とは

信号変換器とは、さまざまな種類のセンサーからの電気信号を、工業用の電流信号に変換する装置です。

一般的にセンサーの役割は、温度や荷重、機械の回転軸の回転数といった情報を測定対象物から収集し、計測データとして私たちに伝えたり、得られたデータを制御用機器に伝えます。そして制御用機器は、新たな指令を出力することによって、システムを制御します。

この過程において、センサーが出力した電気信号を、制御機器が扱える電気信号に変換するのが、信号変換器です。信号変換器は信号の伝達以外にも、センサーから異常な電気信号が出力された際に、回路の後工程に設置された制御用機器などにトラブルが生じないよう電気的に切り離す役割を果たすものもあります。

信号変換器には、さまざまな機器が含まれます。いずれもセンサから情報を受け取り、制御機器などに情報を伝達する役割を果たすものです。

信号変換器の使用用途

信号変換器は、さまざまなセンサーが用いられている電子機器において使用されています。工業製品の製造工場にある工作機械から、実験室や測定室にある計測機器まで、使用用途は幅広いです。

そのほか、工場で熱処理などの加熱、または冷却をするような処理炉、タービンやスピンドル、回転軸の回転数を制御するための機器、工作機械、荷重の大きさの計測が必要な工作機械、試験装置にも使用されています。

信号変換器の原理

信号変換器は種類によって原理が異なります。代表的な種類は以下の通りです。

1. アイソレータ

センサーなどでトラブルがあった際に、センサーと制御回路の間に入り、信号を電気回路的に切り離すことのできる信号変換器のことです。アイソレータはそのシステムの中において、信号の回り込みを防ぐ、機器を保護する、ノイズの影響を低減させる、異なったメーカーの機器の間において、信号の取り合い点を分界するといった目的で使用されます。

2. パルス変換器

パルス変換器は、回転数の速度制御を行う回路の中で使われます。近接センサと呼ばれる測定対象物が近接センサに接近した際に、非接触で検出できるセンサが発する信号をアナログ信号に変換します。

回転数を計測する際に、磁界や電界の変化を近接センサがパルス信号という電気の波の信号で検知すると、パルス変換器はアナログ信号に変換して出力します。

3. カップル変換器

カップル変換器は、温度を計測するシステムの中で使われています。温度の検知で用いられるのは通常、熱電対と呼ばれるセンサです。

熱電対は2種類の異なる金属を組み合わせ、温度に応じて生じる熱起電力と呼ばれる信号を出力します。カップル変換器は熱起電力を、アナログ信号に変換して出力します。

4. ロードセル変換器

ロードセルとは、荷重の大きさを計測するセンサーのことです。ロードセルには歪みゲージという、力による変形によって、非常に細い電線の長さが伸び、太さが細くなることによって抵抗値が変化するセンサーが使われています。

ロードセル変換器の役割は、歪みゲージの抵抗値の変化をアナログ電気信号へと変換することです。得られた電気信号を用いることによって、私たちは対象となる力の大きさを計測できます。

信号変換器のその他情報

信号変換器の注意点

信号変換器は電気信号を扱うため、ノイズ対策が重要になります。高い周波数を発生する機器や、サージと呼ばれる異常に高い電圧が瞬間的に発生するような現象を発生する機器からは、なるべく距離を離して設置することが大切です。

サージ以外にも、モータ、トランス、ソレノイド、マグネットコイルなどといったノイズを発生しやすい機器の近くに設置する際は、サージアブソーバやノイズフィルタなど、ノイズを取り除く機器の設置も検討することをおすすめします。

参考文献
https://www.fa.omron.co.jp/guide/technicalguide/63/312/index.html
https://e-sysnet.com/henkan2/
https://www.m-system.co.jp/products/signal/signal40.html
https://www.fa.omron.co.jp/data_pdf/commentary/signals_tg_j_2_3.pdf

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