指示計

監修:ミネベアミツミ株式会社

指示計とは

指示計

指示計とは、温度や圧力、流量、重さなどの物理量を、人間が読み取れる形に換算して表示する計器のことです。

工場を始めとする様々な場所で動く機械や装置類では必ず、温度、湿度、流量、重量、回転数などの様々な物理量をモニタリングしています。物理量の測定はそれぞれの目的に応じたセンサーが行い、その測定値を電気的な量で送り出します。

アナログ指示計とデジタル指示計があり、センサーからの電気信号を受けて、その値を人間が理解できる形に変換して表示します。また、値を表示するだけでなく、その値に基づき、温度や湿度などを目標値に近づける調節機能を持った計器を指示調節計と言います。場合によっては、指示調節計を含めて指示計と言う場合もあります。

指示計の使用用途

指示計は工場や、施設などで稼働する機械の物理量を監視するために、様々な場所で使用されています。特に発電所、変電所、プラントなどでは設備の状態を集中的に監視するために、監視盤に多くの指示計が埋め込まれています。また、船舶でもエンジンやボイラーなどの状態を監視するために使用されており、民家に設置されている電力メーターも指示計の1つです。

表示する物理量は多岐に渡ります。工場では気体や液体の温度、圧力、流量を表示したり、電力や機械の動く速度を監視するために使用されます。また、湿度、照度、音量、重量、距離などあらゆる物理量の表示と監視のために使用されています、

他にも監視対象の物理量が警告レベルになったことを知らせる役割があります。一般的にアナログタイプは針の触れが警告レベルになったことが判るように、警告範囲のメモリの部分を赤色で示しています。デジタルタイプは予め警告レベルの値を設定しておき、その測定値がそのレベルに達した場合は、警報や光によって知らせます。警報機能を持った指示計を指示警報計とも言います。

指示計の原理

指示計にはアナログ指示計とデジタル指示計があり、種類によって原理が異なります。

1. アナログ指示計

アナログ指示計はセンサーから入力した電気量を針の振れの大きさなどで定量的に指します。指示電気計器とも呼ばれ、アナログ指示計は外部電源を必要とせず、駆動装置、制御装置、制動装置で成り立っています。

駆動装置は入力された電気量に応じた駆動トルクを発生させ、メーター上の針を動かす機構です。制御装置はバネ等で駆動トルクに対して逆向きに制御トルクを発生させる機構です。駆動トルクと制御トルクが釣り合う点が、針が示す値になります。制動装置は針の振動を抑制して、針が速やかに釣り合い地点で止まるように制動します。

指示計は駆動装置の原理の違いによって、可動コイル形計器、整流形計器、電流力形計器、誘導形計器、静電形計器、熱電形計器、可動鉄片形計器などに分類されます。

最も多く使われている指示計は可動コイル型計器です。可動コイル型計器では、モーターの原理と同じように、永久磁石が作る磁界の中に可動コイルが置かれています。可動コイルにセンサーからの電流が流れると、磁界と電流の相互作用によってコイルが傾きます。コイルの傾きがバネ (制動装置) の力と釣り合って止まったところが、電流の値を示します。可動コイル形計器は周波数特性に優れていて、直流の電圧系や電流計で使われています。

2. デジタル指示計

デジタル指示計は測定値を電流に変換し、それをA-Dコンバータでデジタル変換し、発生したパルスをカウントして数値として表示します。

ほとんどの製品が警報機能など多くの付加機能を持っています。例えば、一定期間の測定値を内部のメモリーに蓄えておき、時間ごとの値の変化をグラフ表示するなどです。

また、デジタル指示計は複数の測定を1台の装置で行い、時分割でデータを処理し、それぞれの測定結果を表示できます。さらに、出力値がデジタル信号なので、ネットワークに送り出せます。複数のデジタル指示計からの測定結果を1台のコンピュータに集めることで、設備全体の監視が可能になります。多くの場合、デジタル指示計にはPCとネットワークを構築するためのPC側のソフトが用意されています。

指示計の選び方

現在の指示計の主流はデジタル指示計です。デジタル指示計は、様々な付加機能を持った製品が数多く市販されています。デジタル指示計を選択する際には、基本仕様と耐環境性能が要求を満たしていることを確認の上で、使用状況に合わせた便利な機能を持った製品を選択すれば良いでしょう。

一方、アナログ指示計には、電源が不要なことや、耐久性と信頼性に優れている他、直感的な読み取りに向いている利点があります。針の振れ方から機械の調子を探るなど、アナログ的な診断ができることがアナログ指示計の強みです。

本記事は指示計を製造・販売するミネベアミツミ株式会社様に監修を頂きました。

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