万能ハサミとは
万能ハサミとは、あらゆる用途に対応可能なハサミのことです。
金属や食材、厚みのあるダンボールなど様々なものが切れます。一般的なハサミは紙を切る用、布を切る用など切る対象が特定されているため、用途を限定してハサミを使い分けなければなりません。
これに対し、万能ハサミは切れる対象が非常に広いため、複数のハサミを使い分けしなくて済むのが利点です。どんな素材でもハサミを変えずに利用可能で、キッチンに置いて料理に使用する方法もあります。使用頻度が高く使い勝手が良いアイテムなので、今では各家庭に1本はある日用品です。
万能ハサミの使用用途
万能ハサミの使い方は「はさみ」「 ナイフ」「皮むき」「うろこ取り」「骨切り」「殻割り」「缶開け」「栓抜き」の8通りです。万能ハサミの魅力は、紙や糸以外にも、金属板やプラスチックなどの硬いもの、カーペットなどの分厚いものなど、あらゆるものに対応している点です。
DIYはもちろん、園芸の添え木作りや粗大ゴミになるものを細くしたりと、掃除のときにも大活躍します。なかには、釣りで釣った魚を締めるのに使えるものまであります。
また、ハサミとしての機能以外にも、栓抜きや缶切りの機能が付いているものも多いです。
万能ハサミの原理
万能ハサミは、2つの刃が軸でつながれているシンプルな構造です。てこの原理を利用することで、大きなせん断力を作る仕組みとなっています。
一般的なハサミの場合、指を入れる部分 (ハンドル) を「力点」、刃が重なっている部分 (軸) を「支点」、紙などを挟み刃の力が加わる部分を「作用点」と呼びます。このとき、刃 (作用点) と軸 (支点) の距離が短いほど大きなせん断力が働き、距離が長くなるにつれ、せん断力は小さくなります。
てこの原理により、金属線などの丈夫な素材を切断することができる万能ハサミですが、それ以外にも重要な仕組みがもう1つあります。それは刃の内側にくぼみを施す「裏スキ」の他 、刃元から刃先にかけて湾曲している「ソリ」がつけられていることです。
この仕組みにより、ものを切るときに刃の1点のみが当たるようになり、大きな力を作ることができます。万能ハサミは、切れ味をよくするいくつかの仕組みにより、小さな力を大きな力に変え、効率の良い作業が可能となります。
万能ハサミの選び方
万能ハサミを選ぶときは、下記の6点を確認する必要があります。
1. ハンドルの素材
ハンドルの握り心地の良さは素材が大きく影響します。一般的なのは樹脂製ですが、低反発素材を使用したものもあり、こちらはクッション性が高い上にグリップ力も有します。
長時間作業を想定し万能ハサミを購入する場合は、優先的に選びたい素材です。それ以外にもラバー素材など様々な製品が販売されているため、店舗で実際に触って、自分に合ったものを選ぶことをおすすめします。
2. ハンドルの形状
切った後の状態は、力の入れやすさや握りやすさで変化するため、ハンドル形状が自分に合っているかを実際に切断して確認することが大切です。万能はさみのハンドルの形状は、大きさが左右対称のものや非対称になっているもの、形状が楕円形や円形のものなどがあります。
- 左右非対象タイプ: オールマイティ
- 円形の左右対称タイプ: 細かな作業用
- 楕円形の左右対称タイプ: 力を入れる作業用
- ペンチタイプ: 金属系の切断用
3. 刃の形状
被切断物の素材やどのように切断したいのかにより、選ぶべき刃の形状はが異なります。それぞれの特徴を把握し、使用目的にあったものを選ぶことが重要です。
- ストレート刃
直線的に切断するときなど、正確性を求める場合 - カーブ刃
軽い力でも切れるため、長時間の作業をする場合 - のこぎり刃
細かく並んだ刃が対象物に食い込むため、滑りやすいものを切る場合
4. 刃の素材
基本的には、ステンレス製がおすすめです。一方、頻繁に万能ハサミを使用する方であれば、強度が高く刃持ちの良い炭素鋼が最適です。
5. 右利き用・左利き用
包丁などと同様、ハサミにも右利き用と左利き用があります。ハサミは利き手で持ったとき、親指側のハンドルがある刃が下方向に開くことで、切断する部分が見やすくなります。
しかし、利き手に合わないタイプのハサミを使った場合、切断する部分が見えにくくなるだけでなく、反対に使うことで刃の噛み合わせが弱くなってしまいます。
一般的なハサミ同様、万能ハサミについても利き手に合ったタイプのものを選ぶことが大切です。
6. 付属機能
缶切りや栓抜きがついているものであれば、料理をするときに使うことができます。普段は工具として使っている万能ハサミが、アウトドアなどでも使える物となります。
多機能にこだわりたい方は、どんな場面で活用できるか想像しながら、付属機能を確認しておくと良いです。