フロアジャッキ

フロアジャッキとは

フロアジャッキ

フロアジャッキとは、油圧などの力を利用することで、小さな力で重たいものを垂直に持ち上げられる装置のことです。

フロアジャッキは、主に車の整備など車体を持ち上げるために使用されています。車の整備を行う際に使われているジャッキにも複数の種類があり、大きく分けると「パンタグラフジャッキ」と「フロアジャッキ」の2つです。

パンタグラフジャッキはねじ式のため、手動でねじを回すことによって重いものを持ち上げられます。また、折り畳むことが可能で、省スペースにつながります。比較的扱いやすい一方で、ジャッキを上下させるためには少し力が必要です。

フロアジャッキは、油圧を利用して重いものを持ち上げるため、ジャッキでの上げ下げがより簡単で、小さな力で作業を行えるというメリットがあります。

フロアジャッキの使用用途

フロアジャッキは、主に車の整備を行うため、車体の上げ下げに使用されています。車体を持ち上げて行う作業には、タイヤ交換や各種オイル交換などがあります。

車は重量物なため、ジャッキを使用して車体を持ち上げる場合は、十分安全に配慮して行う必要があります。また、車種によってジャッキを使用して良い位置 (ジャッキアップポイント) が異なるため、車に付属している整備マニュアルを十分確認してからジャッキを使用することが重要です。

車には車載工具として、あらかじめ手動式のパンタグラフジャッキが搭載されています。手動式のパンタグラフジャッキは、ねじの回転に合わせてパンタグラフが上下する簡素な構造となっており、サイズが小さくスペースをとらないのがメリットです。

しかし、ジャッキ自体のサイズが小さい分、車体を上げ下げして作業ができるようになるまでには、ねじ回しを多く行う必要があるため相当な時間を有します。タイヤ交換などの作業では、スピーディーに終えられるようフロアジャッキが使用されています。

フロアジャッキの原理

原理として、パンタグラフジャッキはねじ式のジャッキで、フロアジャッキは油圧式が主に用いられています。

1. パンタグラフジャッキ

パンタグラフジャッキは、ねじの回転に合わせてパンタグラフが上下する構造になっています。ねじのかみ合わせによって力を発生するため、信頼性が高く、構造が単純なため値段が安いのが特徴です。

2. フロアジャッキ

フロアジャッキは油圧式が用いられており、内部にオイルが入ったタンクがあります。ジャッキのレバーを上げ下げすることで、タンク内のオイルに圧力をかけてオイルをポンプ側に移動させます。オイルがポンプ側に移動することによって持ち上げたいものの下に置いている「ラム」が上昇し、間接的に重いものを持ち上げることが可能です。

この動作は、「密閉された容器の中に入った流体に圧力を加えると、その圧力は流体すべての部分に等しく伝わる」というパスカルの原理を利用しています。油圧は小さなエネルギーを大きなエネルギーに変換することができるため、ジャッキ以外にも多くの場面で利用されています。

油圧は周辺環境の温度変化にも強く、高い圧力を得やすいですが、油漏れが発生してしまうと圧力が抜けてしまうのが欠点です。そのため、経年劣化等で容器の気密性が失われると急に圧力が抜けてしまい危険なので、油圧の製品を使用する前に油漏れが無いか事前に点検を行う必要があります。

パンタグラフジャッキと比較してオイルが移動する力を使用するため、装置が少し大がかりになります。ジャッキ自体の重量もあるので、持ち運びには不便です。

フロアジャッキの種類

1. 一般的なフロアジャッキ

別名ガレージジャッキとも呼ばれ、主に油圧を用いて上げ下げする一般的なジャッキです。製品にもよりますが、主に1.5トン~2トン程度の重量を持ち上げられる能力を有しています。

油圧以外にエアー式のジャッキも存在し、オイルの代わりに空気の力を使用して重いものを持ち上げます。フロアジャッキよりも安全により重たいものを持ち上げられる一方で、装置が最も大がかりなため、使用する場所は限られます。

2. 低床フロアジャッキ

フロアジャッキをより低い位置から持ち上げられるようにしたものです。車体の形状や車高によってはこちらを使う必要があります。

ジャッキが上下する油圧の方式は変わっていませんが、最大まで持ち上げた際の高さが低めになってしまうため、用途に合わせて使用することが大切です。

フロアジャッキのその他情報

パンタグラフジャッキ

別名シザーズジャッキとも呼ばれ、電車の天井部分についているパンタグラフと同じ形をしたジャッキです。ねじのかみ合わせによって上下する構造になっているため、最大までジャッキを上げきるのには時間がかかります。

パンタグラフジャッキの最大の特徴は、省スペースで安価な点です。ねじの代わりに油圧を用いた製品や容易に上げ下げできるようになっている製品もあります。

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