配管ヒーター

配管ヒーターとは

配管ヒーターとは、配管内部を流れる液体が凍結しないように加熱するためのヒーターで、凍結防止ヒーターや凍結防止帯とも呼ばれます。

配管ヒーターは、特に水道管に対して使用され、気温が氷点下を下回るような寒冷地では生活に欠かせないものです。水道管が凍結すると、水道を利用できなくなるだけではなく、凍結に伴って水の体積が膨張するため、水道管が変形したり、最悪の場合、破裂したりする恐れがあります。配管ヒーターは、水道管を温めることで凍結を防止するためのものです。

配管ヒーターの使用用途

配管ヒーターは、水道管の凍結を防ぐために寒冷地でよく使われています。

特に、地中に埋設されておらず、地表に露出している水道管では、配管ヒーターを使って凍結を防ぐ必要があります。

このとき、水道管の材質によって適切なものを選択しないと、かえって水道管を傷めてしまう恐れがあります。

これまで水道管の素材は、銅管などの金属が主流でしたが、近年は、塩ビ管ポリエチレン管などの樹脂を利用したものに置き換わってきています。配管ヒーターも、このような水道管の素材の変遷に合わせて改良されています。

配管ヒーターの構造

配管ヒーターは、発熱体部分と電源ケーブル部分から構成されています。

発熱体部分と電源ケーブル

発熱体部分は、ニクロム線などで構成されており、電源ケーブルを介して電流を流すことでジュール熱が発生します。電源ケーブルには、ヒーターに断線がないことを確認する通電ランプや電源ランプが付属している場合があります。

フラットケーブルのような帯状の発熱体部分を水道管に巻きつけて使用することで、管内の水が温められます。巻きつけた発熱体部分の上から、さらに保温テープを巻きつけることで、発熱体部分と水道管がしっかりと固定され、かつ効率よく水道管を温めることが可能です。

配管ヒーターとの組み合わせ

配管ヒーターは、サーモスタットを組み合わせて使用されることがよくあります。サーモスタットを使用することは、温度制御ができることと、必要なときだけ加熱するので電気代の節約にもなるという2つのメリットがあります。

サーモスタットの検知方式

サーモスタットには「外気温検知式」と「配管温度検知式」の2つの方式があります。

外気温検知式は、外気温に反応するため、配管に密着させる必要がなく、取り付けが簡便というメリットがありますが、内部の水が十分に温まっても過剰に加熱を続けてしまう恐れがあります。

一方で、配管温度検知式では、配管温度を測定しているので過剰加熱の心配がありません。しかし、配管とサーモスタットをしっかりと密着させる必要があり、取り付けには十分な注意が必要です。

配管ヒーターの選び方

配管ヒーターには、多くの種類がありますが、取り付ける配管の材質や長さに沿ってヒーターを選択しなければなりません。

また、電源ケーブルに通電ランプや電源ランプ、消費電力量の表示モニター、サーモスタットが付属しているのかといったことも、配管ヒーターを選ぶひとつの基準になります。

注意しなければならない点として、配管の材質と発熱体の被覆方法があります。例えば配管の材質が架橋ポリエチレンパイプなどの樹脂で構成されており、発熱体の被覆が軟質塩ビである場合は、可塑剤が移行してしまい、配管が脆化してしまいます。

そのため、発熱体の被覆に対策を施している製品を選択するようにしましょう。

配管ヒーターの自己制御

近年では、サーモスタットを搭載していない自己制御型のヒーターが普及しています。このタイプは、サーモスタットを使用しなくても発熱体が異常に加熱したり、焼き切れたりして故障することがありません。発熱体が周囲の温度に合わせて自動で加熱するように設計されています。

また、並列回路で構成されているヒーターもあり、現場で切断などの加工が可能な種類も販売されています。発熱体には、自己制御型の発熱抵抗体が使用されます。

さらに、付属機器を少なくできることから、省エネで経済的に稼働でき、静音性にも優れています。

ただし、電源に接続しているあいだは、電流が流れ続けているため、電気代が発生します。

参考文献
https://www.best-parts-media.jp/element/1500
http://mutumisetubi.com/helpful-information/heater/

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