ラフガイドとは
ラフガイドとは、工作機械や組付け機、検査機などで使われる製品を固定する治具部品の一つです。
その使用目的は大きな意味でいうと、精密な位置決めを行うまえに、ある程度の位置を事前に決めるための部品です。
主にロボットなどでセットする場合では無く、作業者が製品を治具にセットする時に使われます。
ラフガイドを使用することで、ある程度の位置に自動で製品を固定できるので、精密な位置決めが早くなるメリットがあります。
ラフガイドの使用用途
ラフガイドには以下のような使用例があります。
- ワークの外観形状に合わせてラフに位置決めする
ワークの形状に対して、面と面で位置を合わせるために、治具にブロックなどをセットします。
ブロックの取付穴は長穴になっていたり、取付ボルトより数mm大きい穴が用意されていて、実際の作業で使いやすい位置にセットできるようになっていることが多いです。 - ワークの素材穴などに細いピンを入れてラフに位置を決める
精密な位置決めでは、素材穴では無くて加工した、寸法管理された穴を使用しますが、ラフガイドであれば、数mm小さいピンを入れるので素材穴でも構いません。
ラフガイドの特徴
ラフガイドにはいくつかの種類があり、特徴が異なります。
例えば以下のようなラフガイドでは、それぞれ下記のような特徴があります。
- L字型ブロックラフガイド
加工する製品の角部をラフにガイドするための部品です。
製品の角部とラフガイドの間に数mmの隙間をもたせて、ラフガイドを設置します。
ラフガイドは通常、対角線上に2か所用意されていて、製品の位相を決められるようになっています。
ラフガイドの製品をガイドする部分は、一般的に60度程度の傾斜がつけられていて、製品がその傾斜をたどっていくと、自動的に適切な位置へ誘導されるようになっています。 - ピン型ラフガイド
製品の素材穴や加工穴に、数mm細い径のピンを複数いれて製品の位置や位相をラフにガイドします。
製品の穴内を傷つけないように、ピンの先端にはRがつけられていたり、樹脂が材質に選ばれていたりします。
ただし樹脂製の場合は、鉄くずなどが刺さった状態で使用していて、かえって製品の穴内に傷をつけることがあるので、使用する環境を考慮する必要があります。