クリップナットとは
クリップナット (英: clip nut) とは、板状のクリップにナットが溶接されているナット、もしくはねじ穴の開いたクリップ状の部品のことです。
対応するねじのサイズや、長さには種類があり用途に応じて選択します。挟み込むクリップ部分のサイズは、挟み込むことができる板材の範囲が決まっており適切なサイズを選択する必要があります。クリップ部、ナット部の素材は金属であることが多いですが、一部自動車用など樹脂製の製品もあります。
クリップナットの使用用途
クリップナットは主に板状の部品や部材を固定するために使われます。自動車の外装では車体前後に取り付けられる樹脂製のバンパーカバー下部と車体床下部の樹脂製アンダーカバーの固定などに使用されます。バンパーカバーへのナンバープレートの固定部に使用されている車種も多いです。
自動車の内装においては、狭い部位の樹脂製内装部品の固定に使用されていることがあります。オートバイの外装部品固定に使用されていることも多いです。建築関係においては、高速道路の防音壁 (吸音壁) や高所の壁面固定に使用されます。
クリップナットの原理
クリップナットは主に材料や部品を挟み込むクリップ部と、ねじやボルトを固定するナット部で構成されています。部材に挟み込んで仮固定できることから、ナットを止めるスペースがないときや多数の箇所に使用するときにあらかじめ部材に取り付けておくことができるため、締め付け工数の低減も可能です。
挟み込む部分に位置決めの突起を有した製品もあります。クリップ部はU字、またはJ字の断面をしておりクリップ部の幅や挟み込むことができる板厚に応じて適したサイズを選択します。材質は金属であることがほとんどで、鉄 (鋼) 製の金属や鉄表面に錆防止のための表面処理としてクロメートメッキ処理をされたものがあります。鉄のほかにはステンレス素材でできた製品もあるが鉄製に比べてやや高価です。
クリップナットのナット部は主にメートルねじに対応したものとタッピングビス (ねじ) に対応したものの2種類あります。メートルねじに対応したクリップナットは、M3、M4などJIS規格に対応したねじ (ボルト) 太さ、挟み込む板材の厚みから選択します。部材の穴径や重さ、必要とする締め付けトルクから適切なサイズを選択します。適応ねじサイズに応じてクリップ部のサイズも大きくなるので取り付け予定のスペースの確認も必要です。タッピングビスに対応したクリップナットビスの太さや長さ、板材の厚さから適切なサイズを選択します。
参考文献
http://www.kfc-net.co.jp/products/cat01/46.html
https://www.esco-net.com/wcs/escort/ec/detail?hHinCd=EA949GS-208&mode=LINE
https://tanida-web.co.jp/cgi-bin/juran/page.cgi?act=page&p_id=8&id=34