クーリングタワー

クーリングタワーとは

クーリングタワー

クーリングタワーとは、水の温度を下げて冷却水を作り出す機械です。

冷却塔とも呼ばれ、水の蒸発による気化熱を利用しています。風を当てるのは蒸発を促進するためで、冷たくなるのは液体が蒸発するときに熱を奪うという性質があるためです。近年では打ち水やミストシャワーなどの効果が見直されていますが、原理は同じです。自然界の滝でも同様の冷却効果があります。

利用する水はコンプレッサや冷凍機で熱交換されて温まった冷却水です。それらを捨てるのではなく再度使用するために、クーリングタワーで冷却してから冷凍機へ送ることで効率的な運用をすることができます。

クーリングタワーの使用用途

クーリングタワーは、ビルやショッピングモール、病院の空調で用いられます。空調の他の用途として、工場や発電所などの機械、エンジン発電機、電気炉、スキー場の人工降雪機が散布する水の冷却、様々な分野でクーリングタワーが使用されています。

クーリングタワーには開放式と密閉式があります。開放式は外気と冷却水を直接触れさせるため効率が良く、空調用として一般的に用いられています。一方で密閉式は冷却水を熱交換器の管に通し、その管へ向かって散水することで冷却しています。冷却水を汚したくない場合に用いられます。

クーリングタワーの原理

クーリングタワーは水の気化熱を利用します。常温では水の蒸発の潜熱は約2,500kJ/kgで、比熱は4.2kJ/ (kg・K) です。1%の水が蒸発することで、残りの水の温度は約6℃ほど下がります。

一般的にクーリングタワーは外部に設置されます。外気の温度や湿度は季節や時間によって常に変化しており、クーリングタワーはその熱交換の原理から自然現象の影響を受けます。一般的に、最も不利な外気の条件を想定して設計・選定されることから,クーリングタワーの性能は余裕を持ったものとなります。その結果、より低い温度の冷却水が供給され、冷凍機など対象機器側で機器効率の向上につながります。

1. 開放式のクーリングタワー

開放式のクーリングタワー内部にはファンが付いており、それが回転することで外気を吸引します。冷却対象の液を上から落とすことで外気と効率的に接触させることができます。さらに水を滴状にして表面積の大きな充填材に流すことで、より外気との接触面積を大きくすることができます。

2. 密閉式のクーリングタワー

密閉式のクーリングタワーの外気の引き込み方法は、開放式のクーリングタワーと同じです。ただし充填材等もなく、タワー内へ管が通っているのみで冷却対象の液は管の中を通っています。管の上から散布水をかけることで散布水が気化して間接的に冷却することができます。

開放式、密閉式どちらも衛生面の注意は必要です。レジオネラ菌の繁殖を防ぐために法律でも定期的な清掃が義務付けられています。

クーリングタワーの種類

クーリングタワーには,用途の違いからの分類のみならず,塔の形状や冷却方式による分類もあります。クーリングタワーは、自然の外気と循環水を接触させ熱交換を行います。この外気と循環水の流れ方向と、外気と循環水の接触の有無による分け方があり、主にこの2つの組み合わせにより区別されます。

1. 外気と循環水の流れによる違い

塔体内の熱交換器部分の外気 (空気) と循環水の流れが直交するクロスフロー型と、対向する場合はカウンターフロー型に分類されます。

2. 外気と循環水の接触方法による違い

循環水と空気が直接接触して熱交換を行う方法を、開放式と呼びます。循環水が密閉配管内を通過し外気と直接接触せず、外気と直接接触する水 (散布水) を別系統から供給し、密閉配管に接触させて循環水の熱交換をする場合を密閉式と呼びます。

密閉式のクーリングタワーでは、循環水が銅管内を通り散布水によって間接冷却されるため、被冷却機器側に水質の影響がありません。しかし、散布水は外気と接触するので、散布水側の水質への対策が必要となります。さらに、間接冷却となるため開放式と比べてタワーの容積やモータの動力性能が大きくなります。

参考文献
https://www.monotaro.com/s/pages/readingseries/kuchosetsubikisokouza_0307/
https://www.kuken.com/kuken-voice/about-product/whats-coolingtower/
https://www.ebara.co.jp/jihou/no/list/detail/254-5.html

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