チャッキバルブ

チャッキバルブとは

チャッキバルブ

チャッキバルブとは、流体の流れを一定方向に保ち、逆流を防止するためのバルブです。

チャッキ弁やチェックバルブ、逆止弁などとも呼ばれます。正流方向では弁が開き、流体が邪魔されずに流れる構造です。

一方、逆流方向では弁が自動で閉じ、流体が流れるのを防止します。

チャッキバルブの使用用途

チャッキバルブは、インフラや産業において幅広い分野で使用される製品です。以下は、チャッキバルブの使用用途一例です。

  • 水中ポンプが停止した際の逆流防止
  • 液体配管の立ち上がり部分での逆流防止
  • 異種液体の混合防止

家庭用温水器や水道配管などでも活用されており、生活にも密着した部品です。配管トラブルを解決するために非常に有用です。

ただし、チャッキバルブ周辺でウォーターハンマーが発生したり、ミネラル分の固化で弁体が開閉しなくなるトラブルが発生したりする可能性があります。使用時には配管系統を十分確認して、トラブルを未然に防止することが重要です。

チャッキバルブの原理

チャッキバルブの材質は主に、樹脂、青銅、ステンレス、鋳鉄等が使用されます。樹脂は一般的に計装エアー用のチャッキバルブなどに使用され、小流量・低圧力の用途が一般的です。また、1.0MPa以上の圧力では青銅などの金属製チャッキバルブが使用され、流れる流体の種類によって材質を使い分けます。

耐圧性能クラスは一般的にKで表現され、5K、10K、20Kなどが広く使用されます。10Kとは10kgf/cm2以上の圧力に耐えることを意味し、JIS規格では14kgf/cm2まで耐える製品として販売されています。

チャッキバルブの取り付け方法は、ワンタッチ継手、フランジ、ねじ込み、ウェハなどです。テフロンチューブなどによる計装エアー用途では、ワンタッチ継手が多く使用されます。また、小口径の金属配管ではねじ込み式が使用され、口径が大きくなるとフランジやウェハとする場合が一般的です。

チャッキバルブの種類

チャッキバルブは、主にスイングチャッキ、リフトチャッキ、ウエハチャッキ、ボールチャッキの4種類に分類されます。

1. スイングチャッキバルブ

円盤状のジスクの片端を蝶番のように取り付け、逆方向から液体が流れてきたときにジスクが閉まる構造のチャッキバルブです。構造が簡単なため、ビルや工場で広く使用されています。圧力損失が低い点が特徴です。

スウィングバルブは、主に上向き方向に流れる流体で使用されます。これはジスクの自重で逆流を強く防止することが可能なためです。水平方向の流体にも使用可能ですが、漏水が発生する場合があります。

また、逆流圧力が強い場合にはジスクが急閉して破損したり、水撃現象が発生したりします。これらを防止するために、一般的には逆流圧力が低いような用途で使用されます。

2. リフトチャッキバルブ

グローブバルブのような構造で、順方向の水流圧力によって開通するチャッキバルブです。自重でジスクが閉止するため、水平方向に取り付けるのが一般的です。耐久性が高い点が特徴ですが、グローブバルブと同様で圧力損失が大きい欠点があります。

3. ウエハチャッキバルブ

2枚の半円形弁体で構成されたチャッキバルブです。逆方向から液体が流れてきたときに半円形弁体が閉止することで逆流を防止します。非常に薄型で軽量な点が特徴です。

配管に挟み込んで取り付けることができるため、省スペースで安価です。また、スウィングチャッキバルブと同様で圧力損失も小さい利点があります。ただし、耐久性がやや低い欠点があります。

4. ボールチャッキバルブ

正流方向に液が流れると、ボールが押し上げられて配管流路が形成される構造のチャッキバルブです。逆流時にはボールが降りてきて閉止することで、逆流を防止します。

上記3つと異なり弁体が固定されていないため、汚水などの異物混入しやすい液体にも適用可能です。ただし、大口径のバルブとして製作しづらい欠点があるため、主に小口径の配管に適用されます。

参考文献
https://www.apiste.co.jp/column/detail/id=4600#h2_2
https://www.kitz-valvesearch.com/kiso/type_checkvalve.html
https://www.ishizaki.biz/smolensky/data/news/vol036.pdf

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