テッダー

テッダーとは

テッダーとは、倒れた牧草の風通しを良くするための農機具です。

構造によって、回転輪型やロータリー型、ベルト・チェーン型、シリンダー型が作られてきました。これらは構造の違いが大きいため、牧草の種類によって使い分けします。

テッダーは、レーキとセットに使われることもある農機具です。レーキは牧草を刈り取るときに効率よくするため、集草列を作り出します。ロータリー型は、縦軸が回転するのが特徴です。

タインと呼ばれるスプリング爪がローターについており高速回転します。シリンダー型は、タインを複数付けられたシリンダーが回転するのが特徴です。複数のシリンダーが取り付けられたものや円筒が斜めになって回転するものなど、複数の形状が作られてきました。

テッダーの使用用途

テッダーは、牧草同士の隙間をあけるために使用されます。隙間をあけて拡散させてあげることで空気の流れがよくなり、乾燥しやすくなります。

乾燥しやすくすることで、牧草の栄養価を高められるため、利益向上につながりやすいです。 テッダーは牧草の向きを反転させ、トラクターに取り付けて使われます。

動力もトラクターから得られるので、ハイパワーな運用が可能です。1回でできるだけ広範囲をカバーできるよう、幅が10m以上のものも多く作られてきました。

テッダーは、視界範囲から飛び出してしまうほど大きな機材です。周囲に人がいないことを確認し、何かに触れるような事故が起きないよう注意しなければいけません。

テッダーの特徴

倒れた牧草をそのままにしておくと、空気に触れていない部分が蒸れて腐食の原因になります。牧草を効率よく乾燥させ腐食などによるロスを削減するために、テッダーによる攪拌作業が行われます。

長所

テッダーの使用により、乾燥工程が早くなります。その結果、牧草の栄養価が高まるなどの効果が期待できます。そのほか、刈り取られた牧草の塊をほぐすことにより、土の付着を少なくしたり、乾燥を均一にしたりする効果も長所の1つです。

短所

使用時はトラクターの車幅よりも広くなるので、運転に技術が必要です。視界範囲よりもテッダーの幅が広く、常に周囲に気を配る必要があります。

テッダーの種類

構造の違いにより4種類のテッダーに分類できます。

1. 回転輪型

フィンガーホイール型とも呼ばれることがあり、タインと呼ばれるスプリング爪を、円盤状に多数取り付けた構造をしています。一定の角度で走行すると、自転しながら牧草を反転、集草していきます。

2. ロータリー型

ジャイロ型や縦軸回転型とも呼ばれています。タインの付いたローターが縦軸周りに高速回転し牧草を反転します。

3. ベルト・チェーン型

回転するベルトやチェーンにタインを取り付けた構造をしています。進行方向に対して直角に牧草を放ち拡散させます。

4. シリンダー型

3~6本のバーに多数のタインを取り付け、円筒状になって回転します。直円筒型と斜め円筒型の2つのタイプがあります。

構造ごとの種類の他に、取り付け方法によっても直装式と牽引式の2つのタイプに分類できます。牽引式は直装式よりも作業幅が広く、大型農家向けの機種です。

テッダーの選び方

テッダーは各タイプごとに特徴があるので、使用する牧草の種類に応じて機種を選ぶ必要があります。また、機種ごとに対応しているトラクターの馬力も違うので、こちらも考慮するべきポイントの1つです。

安価な機械ではないので、導入する際にはメーカーによく相談して機種を選定することをおすすめします。

テッダーの使い方

テッダーは大きな機械ですので、作業中の事故は大事故につながる恐れがあります。以下の点に気を付けて、安全に使用することを心掛けなくてはなりません。

  • 点検や調整、修理は必ずトラクターのエンジンを止め、機械が停止しているのを確認してから行う。
  • 着脱時に挟まれや押しつぶされなどの事故が発生する可能性があるので、十分に気を付けたうえで作業を行う。
  • 機体は視界範囲を超える幅なので、移動時に他車との接触事故が起きないよう周囲に気を配り運転する。
  • 作業に補助者を付ける際は、機械への巻き込まれや接触、石などの飛散物に注意し、補助者は機体から離れた安全な位置で作業をする。

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