電動送風機とは
電動送風機とは、電動モーターによって空気を吸い込んで加速し、特定の方向に風を送るための装置です。
ファンブレード (羽根) を回転させることで風を生成します。電動送風機は電動モーターによって駆動されるため、運転の速度や風量を容易に制御可能です。
多くの電動送風機は速度調節機能を持ち、必要に応じて風の強さを調整できます。これにより、異なる気象条件や快適性の要求に合わせて運転をカスタマイズする際に有利です。
送風機は送風圧によって名称が変化します。送風圧が10kPa未満の場合をファン、10kPa以上100kPa未満をブロワと呼びます。なお、100kPa以上はコンプレッサと呼び、これは送風機ではなく圧縮機に分類されることが多いです。
電動送風機の使用用途
電動送風機はさまざまな使用用途で活用されています。以下は電動送風機の使用用途の一例です。
1. 工業
工場や製造施設では、機械やプロセスの冷却や排熱のために電動送風機が使用されます。送風機によって機械の過熱を防いだり、工業用炉内の温度を制御したりすることが可能です。また、有機溶剤による塗装の換気などにも利用され、労働者の健康と安全を確保するのに役立ちます。
2. 空調機
電動送風機は暑い季節に室内の温度を下げるのに使用されます。風を送ることで体感温度が下がり、冷房の負荷を軽減することが可能です。
特にエアコンを使用しない場合や、エアコンの冷風を均一に広げるためにも活用されます。ユーザーは風の速度や風量を調節して、快適な環境を作り出すことができます。
3. 地下駐車場
地下駐車場などでは、室内の空気循環を促進するために電動送風機が使用されます。適切な位置に送風機を設置することで新鮮な空気を取り込み、古い空気を排出することが可能です。これにより、室内の空気がより清潔で健康的な状態を保つことができます。
4. 乾燥機
湿度を調整するためにも利用されます。洗濯物などを乾燥させる際に、風を送ることで水分を蒸発させる場合に有利です。これにより、湿度を下げることができ、カビや湿気による問題を防ぐことができます。
電動送風機の原理
電動送風機は、風を生成するために電動モーターとファンブレードを使用する装置です。基本的な動作原理は電動モーターによってファンブレードを回転させて空気を加速し、特定の方向に送り出すことです。電動送風機の中心には電動モーターがあります。電力を供給するとモーター回転軸が回転します。この回転運動が、風を生成するためのエネルギー源となる仕組みです。
電動モーターの回転運動は、ファンブレードに伝達されます。ファンブレードは複数の羽根で構成され、回転することで風を生み出す役割を果たします。ファンブレードは特定の角度や形状で配置され、風を効果的に送り出すようにデザインされた部品です。
ファンブレードが回転することで、周囲の空気が吸い込まれます。吸い込まれた空気はファンブレードによって加速され、送風機の出口から外部に向けて送り出されます。ファンブレードの回転速度や形状によって、生成される風の速さや風量が調整することが可能です。
電動送風機の種類
電動送風機は、その内部のファンの形状や風の流れ方によって異なる種類に分類されます。
1. 軸流送風機
ファンの羽根軸と空気の流れが平行な構造を持つ送風機です。ファンの羽根は円盤状で、空気は中心軸に向かって吸い込まれ、軸方向に押し出されます。
このタイプの送風機は主に風量を確保することに優れており、冷却や換気などで広範囲な風を効果的に送るのに適しています。航空機のエンジン冷却や、空調システムなどで使用されることが多いです。
2. 遠心送風機
根軸と空気の流れが直角に交差する構造を持つ送風機です。空気は羽根軸に沿って吸い込まれ、その後、羽根軸から外向きに放出されます。圧力を高めることに優れており、排気や換気、空調などで比較的高い圧力が必要な場合に有利です。
3. 斜流送風機
軸流送風機と遠心送風機の中間的な性質を持つ送風機です。羽根軸と空気の流れが一部で斜めに交差する構造をしており、空気は一部は軸方向に、一部は外向きに送られます。風量と圧力の両方をバランス良く確保できるため、空調や換気、冷却、排気などの幅広い用途に使用されます。
参考文献
https://www.nikko-pb.co.jp/products/detail.php?product_id=161
https://eccj.hondana.jp/book/b351392.html