ジェットクーラとは
ジェットクーラとは、渦の力を利用して物体を冷却する装置です。小型の冷却装置であるため、場所を選ばず利用することができます。
小型以外にも下記の特徴があります。
- 環境に優しい
他の冷却装置では、フロンなどの冷媒が用いられています。冷媒が大気中に放出されると、環境に悪影響を与えることがあります。
ジェットクーラは圧縮空気を用いるだけなので、環境に優しい冷却装置となっています。
- 壊れにくい
摺動部品がなく、非常に単純な構造です。そのため部品故障が少なく、長く用いることができます。
ジェットクーラの使用用途
ジェットクーラが使われる場面の1つに、半田付けがあります。
半田付けとは、スズと鉛の合金(はんだ)を熱で溶かして固めることで、部品同士を接合する方法です。主に電子部品で使われています。
人体への影響から、鉛フリーのはんだが使われるようになりました。しかし鉛フリーでは不均一に固まることがあります。不均一に固まるとクラックが発生したりして、製品不良につながります。
均一にはんだを固めるため、ジェットクーラで急冷を行います。
ジェットクーラの原理
ジェットクーラは、渦の力を利用して冷たい風を生み出しています。
まずはコンプレッサを使って、装置内に圧縮空気を送り込みます。空気を圧縮することで、エネルギーが蓄えられ、強い力を生み出すことができます。
圧縮空気は装置内にある渦流発生器を通ります。発生器では接線方向に空気が放出され、高速回転します。高速回転により渦が発生します。
渦は回転しているため、遠心力が働きます。遠心力の働きにより、圧力と密度が上昇します。ボイルシャルルの法則により、圧力と密度の上昇に伴い、温度も増加します。
渦は出口に向かって動きます。出口に移動するとき、空気が膨張するため、渦の中心部では温度が下がります。中心部から外側に向かって熱が放出されるため、渦の中心と外で温度差ができます。冷たい中心部の空気は出口から放出され、冷却に使われます。温かい外側の空気は、逆方向から排出されます。
圧縮空気の送り込み、渦の生成、温度による空気の分離を繰り返すことで、定常的に冷却を行うことが可能になります。
参考文献
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