プラズマ加工機

プラズマ加工機とは

プラズマ加工機

プラズマ加工機とは、アーク放電によるプラズマを用いて主に切断などを行うための工作機械です。

切断する工作機械にはプラズマ加工機以外には、レーザーやガスによる切断方法があります。プラズマ加工機は他の切断法と比べると切断時間が短く、効率がいいのが特徴です。

また、プラズマ加工機は数mm~100mm程度の厚さまで十分に切断することが可能で、コストも低く抑えられます。昔から使われてきたガス切断などは、酸化しにくいステンレス鋼などの加工は不可能でしたが、プラズマ加工機を使用すれば、通電するものは何でも切断することができます。直線だけでなく複雑な曲線を行うこともできるため、様々な製品の製造に役立っています。

プラズマ加工機の使用用途

プラズマ加工機の主な用途は、金属の切断です。具体的には造船所や鉄骨橋梁メーカーなどで使用されています。特にステンレスやアルミニウム合金など、酸化しにくい材料はガス切断では切断できないため、プラズマ加工機が使われます。

基本的に通電するものならば切断が可能で、処理速度も比較的速いのが特徴です。また、切断できる厚みを比較的広く、ドライプラズマでは150mm程度の厚さにまで対応しています。したがって、レーザーでは切断が難しかった厚みのある素材の切断に適しています。

プラズマ加工機の原理

プラズマ加工機は電気の力で切断する材料と切断機の電極との間でアーク放電を起こし、発生したアーク熱で材料を溶かして切断するものです。さらに、電極周辺を保護する冷却によってアークを緊縮させ、エネルギーを集中させることによって、切断作業の効率を高めます。

溶けた材料はアークと共に発生するプラズマ気流によって、周囲に吹き飛ばされます。プラズマ加工機の電極で用いられるのは、タングステンなどの非摩耗性の材料です。

プラズマ加工機の種類

プラズマ加工機は、使用するプラズマガスの種類よって分類することができます。

1. アルゴン・水素を使うプラズマ加工機

プラズマガスとして、アルゴンガスや水素ガスに窒素ガスを混入したものです。ステンレス鋼や非鉄金属の加工に使われます。水素ガスには還元作用があり、加工する際の酸化が抑制されるため、切断面に光沢があるのが特徴です。

2. 酸素を使うプラズマ加工機

プラズマガスとして酸素を使う場合には、金属の酸化反応によって燃焼エネルギーが増幅されます。効率的な加工をしたい場合に向いており、炭素鋼などの加工に向いた加工機です。

3. 圧縮空気を使うプラズマ加工機

圧縮空気を使うプラズマ加工機は、ランニングコストを抑えることができます。小型のプラズマ加工機にも使われます。

4. 窒素を使うプラズマ加工機

最も古いプラズマ加工機で使われたものであり、近年はNOxの発生源となるため、使われなくなりました。

プラズマ加工機の特徴

プラズマ加工機のメリットは、幅広い厚みに対応していること、曲線の加工も可能であることなどです。切断速度は1~6mm程度切断であれば、レーザー切断の方が優れていますが、厚くなってくるとプラズマ加工機が有利です。しかし、切断できる厚さは150mm程度が限界となります。

また、ガス切断では不可能だったステンレスなど切断が可能で導電性のある材料のほとんどを加工することができます。一方で、高電圧の電源が必要となるため、屋外での使用には適していません。

プラズマ加工機のその他情報

プラズマとは

プラズマとは、高温になった気体に起こる現象によって生まれるものであり、固体、液体、気体に次いで物質の第4の状態と呼ばれます。気体が加熱されると分子は解離して原子になり、さらに原子核のまわりを回っていた電子は原子から離れて電子と正イオンとに分かれます。これは電離といい、電離によって生まれた荷電粒子を含む気体がプラズマです。

プラズマには光や電磁波を出すこと、電流が流れること、物質と反応し、相手の性質を変えるという性質があります。プラズマ加工機では、これらプラズマの性質を利用して金属を加工しています。

参考文献
http://kobe-stainless.co.jp/business/plasma/
http://wwwb.pikara.ne.jp/ogawa-giken/uw_cut/uc71.html

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です