庭木肥料とは
庭木肥料とは、庭木や植木などの樹木を丈夫に成長させるための栄養源となる、専用の肥料のことです。
自然界では物質循環により植物の生成に必要な養分が供給されているため、肥料は必要ありません。しかし、庭木のような栽培植物の場合、不足する栄養分が出てきてしまいます。
そのため、庭木の生育には庭木肥料が必要です。
庭木肥料の使用用途
庭木肥料の主な用途は、不足しがちな栄養素を供給し、庭木をより大きく丈夫に育てることです。12月から2月にかけての冬場に与える「寒肥」と、花や果実の時期の終わりに与える「お礼肥」の年2回行うのが一般的です。
庭木肥料の種類
庭木肥料は、有機質肥料と無機質肥料に大別することができます。
1. 有機質肥料
有機質肥料は、主に鶏糞や油かすなどの動植物を元に作られた肥料です。ゆっくりと地中で分解された後に根から吸収されるため、植物に負担がかかりにくい特徴があります。
2. 無機質肥料
無機質肥料は、窒素やリン酸、カリウムなどをメインに化学的に作られた肥料です。即効性のものが多いのが特徴で、化成肥料とも呼ばれます。
庭木肥料の選び方
庭木肥料は、庭木の特性に合わせて適切なタイミングで、適切な種類のものを施肥することで効果を最大限に発揮します。そのため庭木肥料を選ぶ際には、庭木の種類や成長度合い等を総合的に判断して、検討することが大切です。
庭木肥料の特徴
長所
庭木肥料の長所としては、庭木に必要な栄養素を供給できることが挙げられます。一般的に庭木に関しては、肥料を与えなかったために枯れてしまうということはありません。
しかし、丈夫に育てあげるためには、必要なタイミングで適量の肥料を与える必要があります。
短所
庭木肥料の使用にあたっては、与えるタイミングと量が適切でない場合、成長を妨げてしまうリスクがあります。たとえば、植え付けてから1年未満の庭木に対しては、肥料を与える必要はありません。
これは植え付けたばかりの庭木は根の先端が切れているため、肥料を与えても正常に栄養を吸収できないからです。このように庭木肥料は、適切なタイミングで適切な量を使用する必要があります。
庭木のために与えた肥料が、かえって逆効果となってしまわないよう、事前にしっかりと確認しておくことが大切です。
庭木肥料のその他情報
庭木肥料の与え方
庭木肥料の与え方として、主に以下の方法が挙げられます。使用対象によって、適切な方法を選定することが大切です。
元肥
元肥は、植え付けの際に植え穴の底に施す肥料です。植え穴を掘り、底に緩効性肥料を施し、その上に土を盛り、庭木を植え付けます。根に肥料が触れてしまうと、根を痛める原因になるため、肥料と根が直接触れないよう注意が必要です。
寒肥
寒肥は、春に肥料の成分が根まで浸透することを想定して、1~2月に与える肥料です。冬の間に与えるため緩効性肥料が適しており、主に牛糞や鶏糞などの有機質肥料が使われます。
お礼肥
お礼肥は、花や果実の時期が終わった後に、エネルギーを消費した庭木を回復させる目的で与える肥料です。樹勢の回復を目的としているため、速効性肥料が適しています。
芽出し肥
芽出し肥は、寒肥より後の、3~4月の萌芽期に施す肥料です。萌芽や枝の伸長を促進することを目的としており、速効性肥料が適しています。
秋肥
秋肥は、秋を迎える頃、冬の寒さに耐えられるよう施す肥料です。リン酸やカリウムを多く含む緩効性肥料が適しています。
置肥
置肥は、鉢の周囲に置くように施肥する肥料です。降雨や水やりの際の水分によって成分が溶け出すことで、庭木に栄養を補給することができます。
水肥
水肥は、水やりの代わりとして施す液体状の肥料です。肥料が切れた際など、速効的な効果を要する場合に与えます。種類によっては希釈してから使用するものもあります。
希釈濃度が濃いと、根の細胞液が奪われて庭木が弱ってしまうことがあるため、希釈は適正に行うことが大切です。