ローリータンク

ローリータンクとは

ローリータンク

ローリータンクとは、液体運搬や保管用のタンクです。

高密度ポリエチレン製で、回転成形による継ぎ目のない一体成形の容器となっています。一般的な樹脂を内側から膨らませるブロー成形よりも厚みがあり、軽くて丈夫です。

腐敗せず、耐久性・耐衝撃性・耐薬品性・耐寒性に優れています。雨水タンク、貯水タンク、給水タンク等の名称で流通することもあります。

ローリータンクの使用用途

ローリータンクは、農作業や土木現場、工場や家庭で、液体の保管・運搬に利用されています。農業においては、散水のための貯水や、農薬や肥料散布用の調合・運搬、土木、舗装などの工事現場においては作業用貯水タンクとして利用されています。

工場での用途は、液体食品の貯蔵・運搬、薬品の貯蔵・運搬など多岐に渡ります。また、各種排水貯蔵や、水不足時の給水タンクとしても用いられます。家庭では、雨水タンクに使用されることも多く、除草剤希釈や、水やりにも使用可能です。

ローリータンクの特徴

長所

農業や土木など、水源の無い場所でも、ローリータンクで運搬・貯水して、水を確保可能です。災害時の給水にも活躍しています。

雨水タンクとして使用する場合、水道代の節約になります。また、食品衛生上無毒であることが証明されているため、食品の保管も可能です。

短所

内部にコケやボウフラなどが発生しないよう、定期的に洗浄したり、体積が非常に大きいためスペースを確保したりする必要があります。また、ポリエチレンという素材の特性として、接着や印刷が難しく、多少ポリエチレンの匂いがするという短所も挙げられます。

ローリータンクの種類

ローリータンクは色、形、サイズ等、大変にバリエーション豊富です。

1. 容量による分類

容量はホームローリーと呼ばれる家庭用サイズの50リットルから、スーパーローリーと呼ばれる3,000リットルまであります。スーパーローリーは、より耐衝撃性・耐久性に優れているのが特徴です。

2. 色による分類

家庭用ではカラフルなローリータンクもありますが、オレンジや黄が一般的です。機能を強化したタイプでブラックもあります。オレンジは液体が透けて見えるため、内容量が確認できます。一方、ブラックは光を通さないので、タンク内に光合成を必要とする藻が生えにくく、紫外線に強いです。

3. 形状による分類

形状は、角型か丸形があります。

4. 仕様による分類

基本的には上部に液体を入れる口と蓋、下部に液体の取り出し口となるドレン口があります。ドレン口にバルブを設置できる製品や上部にエア抜きがついている製品も販売されています。液体を入れやすいだけでなく、排出しやすさも、ローリータンクの大切な要素です。

そのため、ドレン口が角にあり、排水が容易にできるタイプや、ドレン口までの底部傾斜とそれを支える専用架台により、タンクを傾けなくても内用液を完全に排出する機能を備えたタイプもあります。

一方、運搬の容易さという点では、横滑り防止に発泡スチロール製などの受け台が付いたタイプや、表面に溝加工が施され、ロープをかけやすくした製品もあります。耐熱面では、ポリエチレンは40℃の液体まで使用可能です。

ローリータンクの選び方

何を入れてどう使うのか、用途を確認し、容量を考えます。家庭用では100〜500リットルが人気ですが、農業用では100~1,200リットル程度が一般的です。そして、使用温度も確認しましょう。常温で20℃〜40℃以内であれば、問題ありません。

用途により、バルブ・ソケットなどが必要か、種類やサイズも合わせて確認します。また、据付や埋没設置に利用する場合は、それぞれの用途に適したタイプのローリータンクを選びましょう。

ローリータンクの使い方

ローリータンクは、使用前に水張りテストをしてから水で洗い、バルブとドレン口からの水漏れが無いか、確認します。使い始めてからも、定期的な清掃が必要です。

容器上部の蓋を外すと、バケツなどで汲んで入れる場合でも作業が容易な大型の注ぎ口になっており、ここから水などを入れて使います。運搬時は蓋をしっかりと閉め、しっかりとロープをかけます。

水や溶液の使用時は、ローリータンク下部のドレン口を開けたり、取り付けたバルブを開けます。メモリが付いている製品もありますが、目安程度に利用すると良いです。また、エンジンやモーターなどの発熱するものや、排気ガスなどが直接吹きかからないよう、注意が必要です。

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