シートベルト

シートベルトとはシートベルト

シートベルトとは、主に自動車で衝撃を受けたときや急な減速時に搭乗者の安全を確保するため座席に備えるベルトです。

安全ベルトとも呼ばれます。大きな動揺や衝突により乗員が座席から放り出され車内にぶつかる、あるいは車外に飛び出すなどの二次衝突を防ぎます。

近年では衝突時に瞬時にベルトを巻き取り乗員を強く拘束する一方で、その後はベルトを緩めて胸部への圧迫を和らげる機能を持つロード (フォース) リミッター付きプリテンショナーシートベルトが用いられています。

また、ショルダーベルト上部アンカー (固定装置) の位置を乗員の座高に合わせて上下に動かせるアジャスタブル・ベルトアンカーが一般的です。

シートベルトの使用用途

自動車を代表として、高速船、飛行機、ローラーコースター、ロケットのような乗物で用いられています。大きな動揺、衝突、急ブレーキの際に搭乗者を保護するためにシートベルトによって乗員を座席に固定可能です。

自動車が大きく動揺したり、衝突や急ブレーキによって大きな慣性力が生じた場合に搭乗者が車体から離れ、当初の進行方向に投げ出されます。そして、乗員が車内内装に衝突したり車外に投げ出されて二次被害を引き起こします。これらの被害を防ぐためにシートベルトは重要です。

シートベルトが開発され始めたきっかけは1899年に発生したイギリスでの交通事故でした。乗員2名が車外に放り出されて死亡し、この交通事故をきっかけにシートベルトの開発が進んでいます。そして、1946年に初めて一般の乗用車にシートベルトが採用されました。 

シートベルトの原理

三点式シートベルトは乗員の上体の動きを制約し、平常時には不便なため自由に伸縮し、強い衝撃が加わったときにのみロックして上体を保持可能です。この装置は緊急ロック式巻き取り装置 (英: Emergency Locking Retractor) と呼ばれ、パチンコ玉程度の大きさの球 (センサー) 、ロックのためのギア、ツメ (アクチュエータ) の3点から構成されます。

まず、急ブレーキや衝突した場合に慣性によって球は自動車の進行方向に動きます。次にこの球によってツメが上に持ち上がってギアの歯にかみ合うことでベルト (ウェビング) を固定可能です。

シートベルトの種類

シートベルトには、二点式、三点式、フルハーネス式などの種類があります。現在は、肩と腰の両側で固定する三点式シートベルトが主流です。

1. 二点式

二点式は2ヶ所のみを支持するシートベルトです。腰の両端と腰前部に着用します。衝突時の拘束性は三点式に劣ります。

2. 三点式

三点式は二点式に肩を含めた3ヶ所を支持する形式です。乗員の保護性能に優れ、最も実用的です。

3. フルハーネス式

フルハーネス式は1本の腰部用ベルトと2本以上の胸部用ベルトを使用します。衝突時の拘束性は最も優れており、四点式、五点式、六点式などもあります。

シートベルトの構造

自動車のシートベルトは布製です。体重の約50倍の力にも耐えるように設計されています。

1. ベルトアセンブリ

ベルトアセンブリはシートベルト全体を指し、リトラクター、アンカレッジ (アンカー) 、ストラップ (ウェビング) 、固定用バックルなどを有する装置です。

2. リトラクター

リトラクターは固定用バックルベルトを巻き取る装置です。

3. アンカレッジ

アンカレッジは、車体から取り付けられています。

4. バックル

バックルは着用者の固定や解放ができ、ベルトの先端に組み込まれた装置です。

5. ストラップ

ストラップはベルト部分のことで、腰部ストラップ、肩部ストラップ、脚部ストラップに分類されます。腰部ストラップはラップストラップや腰ベルトとも呼ばれ、腰部を横切るベルトです。

肩部ストラップは着用者の胸部を斜めに固定するベルトで、ダイアゴナルベルトやショルダーストラップとも呼ばれます。脚部ストラップはクロッチストラップとも呼ばれ、股部分を固定します。

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