ラックマウントサーバーとは
ラックマウントサーバーとは、サーバーラックに取り付けるように設計されたサーバーです。
コンパクトに収まる構造であり、大規模なデータセンターや企業のサーバールームなど、限られたスペースを有効活用したい環境で活躍します。ラックとは、サーバー機器を縦方向に積み重ねて設置するためのフレームを指します。標準サイズの19インチラックを利用すると、機器同士の互換性が高まり保守や交換が容易になる利点があります。
また、本体の高さを1Uなどの単位で表現します。1Uは約4.45cmです。高さを統一することで、複数台のサーバーをすっきりと配置しやすくなる点も特徴です。
ラックマウントサーバーには冷却性能を高める仕組みが備わっており、高負荷がかかる処理でも安定しやすいと考えられています。内部には複数のファンを設置して効率的な排熱を行う場合が多く、長時間の稼働にも適した設計です。搭載されるパーツはCPUやメモリなどの基本要素に加え、ストレージの拡張や冗長化構成など、用途に応じたカスタマイズが可能です。
もし機器に障害が発生しても、予備の電源ユニットやディスクで稼働を止めずに交換できるモデルもあります。こうした信頼性の高さが求められる現場で採用される機会が多いサーバー形態といえます。
ラックマウントサーバーの使用用途
ラックマウントサーバーは主に以下の用途で使用されます。
1. 企業システム
企業の業務システムを動かす役割として、多くのユーザーが利用するメールやファイル共有及びデータベースの管理などに用いられます。ラックマウントサーバーは設置スペースを節約しながら、安定的にサービスを提供できる点が利点です。サーバールームやデータセンターでの集中管理を想定しているため、メンテナンスや拡張も比較的容易に行えます。
2. 研究・解析
高負荷な演算を扱う分野でも導入が進んでいます。たとえば、画像解析や統計処理を行う研究機関、設計やシミュレーションが必要な開発現場などでは、高い演算能力やグラフィックスカードの拡張が重視されます。ラックマウントサーバーは冷却効率に優れる構造を備えているため、長時間の集中的な処理でも安定的に稼働します。
3. 仮想化・クラウド
仮想化やクラウド基盤を支える基礎としても利用されます。複数の仮想マシンを一台のサーバー上で同時に稼働させるには、CPUやメモリなどのリソースを柔軟に割り当てられる設計が求められます。ラックマウントサーバーは拡張性や管理性が高いため、多くの企業で採用されます。