RFICとは
RFIC (英:Radio Frequency Integrated Circuit) とは、高周波 (RF) 信号を処理するための集積回路です。
無線周波数集積回路とも呼ばれています。ワイヤレス通信や無線周波数信号を利用するデバイスに不可欠な要素であり、スマートフォン、Wi-Fiルーター、LPWA、LTEやBluetooth、GPS機器などに広く搭載されています。RFICにはアンプ・フィルタ・ミキサー・発信子・変調器・復調器が1つのチップにまとまっており、送信機や受信機としての機能を持ちます。
RFICは信号の増幅、変調、復調などを行います。5G通信技術の発展に伴い、より高性能かつ低消費電力なRFICの開発が進んでいます。半導体技術の進化によりシリコンベースのRFICが主流となり、従来のディスクリート部品を使用した回路に比べて、小型化と高集積化が可能になりました。人工知能 (AI) やIoT技術の進展により、RFICはスマートデバイスや産業用機器など、より幅広い分野で活用され今後も市場規模が拡大すると予測されています。
RFICの使用用途
RFICはスマートフォンや家電といった日常の必需品から、人工衛星システムまで幅広く用いられています。以下で一例を紹介します。
1. 無線通信機器 (スマホや無線LANなど)
RFICはスマートフォン、Wi-Fiルーター、LPWA、LTEやBluetooth機器などの無線通信機器において、重要な役割を果たします。高速かつ安定した通信を実現するため、RFICが信号の処理や増幅を行い、スムーズなデータ通信を実現。5G対応のスマートフォンでは、高周波帯域に対応したRFICが不可欠です。
2. 衛生通信システム
人工衛星を利用した通信システムにおいても、RFICは重要な役割を果たします。例えば、GPSナビゲーションや気象観測、軍事通信などの分野では、長距離の無線通信を可能にするRFIC技術が求められます。低軌道衛星 (LEO) の活用が進む中で、より高性能で集積度の高いRFICのニーズも高まっています。
3. IoTデバイス、家電
RFICはスマート家電やIoTデバイスにも広く活用されています。例えば、スマートスピーカー、スマートメーター、センサー機器などはRFICがデータの送受信を担っています。さらに、電波を使った識別技術であるRFID技術にも応用されており、物流や小売業界でのトラッキングシステムといった分野でも導入されています。