多層基板とは
多層基板とは、3層以上の導体層を持つプリント配線板です。
絶縁層と導体層を交互に重ね合わせ、圧着することで製造されます。多層基板は複雑な構造により、高い配線密度を実現します。また多層構造は信号の伝送特性を向上させられる点が特徴です。多層基板は片面基板や両面基板に比べて、配線密度が高い、部品実装面積を増やせる、高速信号伝送に適している、ノイズを低減できるといった点で優れています。多層基板はその利点から、スマートフォン、パソコン、サーバー、産業機器など様々な電子機器に利用されています。
多層基板の製造には高度な技術が必要です。精密な回路パターンを形成し、各層を正確に重ね合わせる必要があります。また材料も重要です。用途に応じて適切な絶縁材料や導体材料を選ぶ必要があります。
多層基板の使用用途
多層基板の使用用途として、スマートフォン・タブレット、パソコン、サーバー、産業機器、自動車の6つを解説します。
1. スマートフォン・タブレット
スマートフォンやタブレットは小型ながら高い機能が求められるため、多層基板が必要です。限られたスペースに多くの部品を実装し、高速な信号伝送を実現しています。
2. パソコン
パソコンのCPUやマザーボードには多数の配線が必要であり、多層基板が使用されます。高速なデータ処理を実現するために、信号の伝送特性が重視されます。
3. サーバー
サーバーは大量のデータを高速に処理する必要があるため、多層基板が採用されています。高い信頼性、放熱性も求められます。
4. 産業機器
産業機器は高い信頼性、耐久性が求められるため、多層基板が使用されます。過酷な環境下でも安定して動作する必要があります。
5. 医療機器
医療機器は、小型化、高性能化が求められると同時に、高い信頼性も必要です。
6. 自動車
自動車には多くの電子制御ユニットが搭載されており、多層基板が使用されています。高い信頼性、耐環境性が求められます。