アウトサート成形とは
アウトサート成形とは、金属などのインサート部品を樹脂と一体化させる成形技術です。
インサート成形と混同されがちですが、アウトサート成形は金属部品を主体とし、その一部に樹脂を組み込む形で成形を行う点が特徴的です。具体的には、板金などの金属部品を金型内に配置し、その一部に溶融した樹脂を射出、冷却固化させることで、金属と樹脂が強固に結合した一体成形品を製造します。
アウトサート成形は立型射出成形機を用いることが一般的で、金型内で金属プレートに金属などの部品を正確に配置し精密な成形を実現します。インサート成形が樹脂を主体とし、そこにインサート部品を埋め込むのに対し、アウトサート成形は金属部品を主体とし、部分的に樹脂を付加するイメージです。
アウトサート成形の使用用途
アウトサート成形の使用用途として、自動車部品での活用、電子機器部品での活用、医療機器部品での活用の3つを解説します。
1. 自動車部品での活用
自動車業界では軽量化と高強度化の両立が求められる中、アウトサート成形が重要な役割を果たしています。例えばドアハンドルやインパネ周辺部品では、金属の骨格に樹脂を組み合わせることで強度を確保しつつ、軽量化とデザインの自由度向上を実現します。
2. 電子機器部品での活用
アウトサート成形は、金属フレームに樹脂を組み合わせた筐体や、コネクタ端子と樹脂ハウジングを一体化した部品などに活用されます。金属フレームは機器全体の強度を向上させ、電磁波シールド効果も期待できます。
3. 医療機器部品での活用
医療機器分野では、安全性と衛生面への配慮が重要です。アウトサート成形は、金属製の刃物部分に樹脂製のグリップを一体化させた手術器具や、金属製の電極と樹脂製の絶縁体を組み合わせた診断機器などに応用されます。金属部分は切れ味や強度、耐腐食性を実現し、樹脂部分は安全な取り扱いや絶縁性、生体適合性を確保します。