ホルター

ホルターとは

ホルターとは、心電図を長時間記録するための携帯型計測器です。

ホルター心電図検査では、小型の記録器を体に装着し、24時間あるいはそれ以上の長時間 にわたって連続的に心電図を記録します。記録されたデータは、後日解析することで、不整脈や狭心症などの心臓疾患の診断に役立ちます。

ホルター心電図検査では、通常の心電図検査では捉えきれない一時的な心電図異常を検出できることが大きなメリットです。例えば、睡眠中や運動中など、特定の状況下で発生する不整脈を診断するのに有効です。

ホルターの使用用途

ホルター心電図は、医療業界、研究機関、スポーツ業界など、様々な分野で使用されています。

1. 医療業界

医療業界では、ホルター心電図は不整脈や狭心症などの心臓疾患の診断に広く用いられています。動悸、息切れ、めまい、失神などの症状がある患者に対して、ホルター心電図検査を行うことで、症状の原因が心臓に起因するものなのかを判断することが可能です。また、ホルター心電図は治療の効果判定にも利用されます。例えば、抗不整脈薬や抗狭心症薬の効果を確認するために、薬剤投与前後の心電図変化を比較することができます。

2. 研究機関

研究機関での主な用途は、心臓疾患のメカニズム解明や新しい治療法の開発です。例えば、ホルター心電図を用いて日常生活における自律神経活動や心拍変動を解析することで、心血管疾患のリスクを予測する研究が行われています。また、ホルター心電図データと環境要因との関連性を調べることで、心臓疾患の予防に役立つ知見を得ることも期待されています。

3. スポーツ業界

スポーツ業界での主な用途は、運動中の心臓の状態を把握することです。運動中の心拍数の変化や不整脈の発生状況を調べることで、選手の健康管理やパフォーマンス向上に役立てることができます。また、ホルター心電図は、スポーツ選手の心臓突然死のリスクを評価するためにも利用されています。具体的には、安静時の心電図検査では発見できない潜在的な心臓疾患を特定することが可能です。例えば、激しい運動中にのみ発生する不整脈や、心筋の酸素不足による変化を捉えることができます。

参考文献
https://www.daiyukai.or.jp/department/jyunkanki-halter/