テストピースとは
テストピースとは、素材・材料の性能テストに適するように整形された、試験用の小片のことです。
供試体や試験片と呼ぶこともあります。
コンクリートの圧縮強度試験用のものはテストピースや供試体と呼ぶことが多いです。一方、金属や樹脂を対象に、引張強度、接着、粘着、X線検査、衝撃、摩耗、腐食、漏れ、疲労、火災・燃焼などの各種試験に用いるものは、試験片と呼ぶことが多いです。
コンクリートのテストピースは、鉄筋コンクリート建築で使われるもので、直径100mm、高さ200mmの円柱型のコンクリートです。専用の型枠を用いてテストピースを作成し、主に圧縮強度を評価します。
実際に建築に用いたコンクリートを用い、実際に破壊して試験を実施するため、破壊してもよい試料としてテストピースを作成します。
金属や樹脂の試験片 (材料試験片)は、金属や樹脂といった材料の各種試験に用いるもので、試験方法や試験機に適した形状に加工したものです。例えば、引張試験では、試験機が材料をつかむため、つかみ部分に適合する形状への加工が必要です。
標準化された試験法 (国際標準化機構ISO、日本産業規格JIS、ASTMインターナショナルなどによる規格) においては、多くの場合で試験片の形状や寸法も標準化されています。
テストピースの使用用途
1. コンクリート
鉄筋コンクリート建築を施工するとき、鉄筋コンクリート部材としての圧縮強度を推定することに用いられます。
コンクリートは、工場で製造直後に品質についての各種試験を行いますが、建築施工にあたり実際に固まったときの強度も確認する必要があります。そのときに、実際に破壊して強度を確認しますが、このときに破壊してもよい材料として作成されるのがテストピースです。
実際に使用したコンクリートを、コンクリートミキサー運搬車ごとに試料を採取して1台から1ピースを作成、少なくとも3ピース以上で評価します。
2. 金属や樹脂の試験片 (材料試験片)
金属や樹脂といった材料の研究開発や評価などで、材料の機械的性質や強度を調べる目的で使用されます。例えば、強さ、硬さ、疲労しやすさなどです。この結果を機械や建築物などを設計する際の資料として用います。
試験の結果がその後の研究開発や性能の保証に用いられることとなるため、試験片の不良による試験の失敗を避けて正確な試験結果を得ることが重要です。そのために、信頼性の高い試験片を入手することは重要です。