ハンドプレス

ハンドプレスとはハンドプレス

ハンドプレスとは、ハンドルやレバーを手動で操作し、局所的に対象物に圧力をかけて、プレス加工をすることが出来る板金などの工具のことです。

ハンドプレスの箇所に加工したい対象物を設置し、上からハンドルを下におろして圧力をかけることで加工します。加工できる部分の金型を換えれば、切断や穴あけや刻印などの加工も可能です。製品の種類や大きさによって、圧力の大きさが異なり、目的別にハンドプレスの金型があります。

ハンドプレスの使用用途

ハンドプレスによる加工は、垂直方向の力によって対象の部分にピンポイントに圧力を加えることで、加工できるもの全般に使用されています。例えば、ピンの圧入や薄い金属の曲げ、細い棒材の加工などです。また、ハンドプレスは印刷用で使用されていた歴史を持つことから、プラスチック材や金属板に印字する際にも使用できます。

一般的に、組み立てや小規模のロットの製造などの作業工程において、曲げたり、切断したりする加工を施す際に使用される場合が多いです。これらの加工の他にも、カシメやホックなどの留め金具の取り付けや、ベアリングの圧入や、対象物の粉砕なども使用用途の一つとして挙げられます。

ハンドプレスの原理

ハンドプレスは、ハンドルやレバーを手動で操作し、局所的に対象物に圧力をかけます。ハンドプレスによる加工では、レバーやハンドルを手動で操作して下におろすことで、レバーが取り付けられた芯棒が下に動き、本体に設置した対象物に力が分散せず圧力がかかるという仕組みになっています。

芯棒に取り付けられたばねのおかげで、力がゆっくりと伝わり、手動でも負担がかからず小さい力で大きな圧力をかけられるのが大きな特徴です。ハンドプレスは、鉄製の本体にばねが取り付けてある芯棒があり、この芯棒に取り外し交換が可能なレバーやハンドルがついています。

ハンドルにはホッチキスに似た形のものや自動車のハンドルに似た形のものまでさまざまです。かけたい圧力に応じてハンドプレス機を選定する必要があります。また、ハンドプレス機の本体は破損しやすいため、水平な場所で使用しなければなりません。

ハンドプレスのその他情報

1. ハンドプレスの長所

手動でレバーを操作するという単純な構造をしていることから、ハンドプレスには2つの長所があります。1つ目の長所は維持管理を簡単に行えるため、長期的に使用できることです。2つ目の長所として、手動による加工作業ができるため、電力を使わずコストやエネルギーがかからない点が挙げられます。

2. ハンドプレスの歴史

ハンドプレスの歴史は古く、大正時代にまで遡ります。大正時代の印刷手法としてアルビオン印刷機を利用した印刷が盛んに行われていました。活版印刷の時代であるため、ハンドプレスはアルビオン印刷機を真似して作られた経緯があります。大正時代に、ポストカードを印刷するために製造されたのが始まりです。

手動で圧力を加えることで対象物に印字するなど、大正時代と現代のハンドプレス機の基本原理は共通しています。ただし、現代の方が工学向きに改良されており、ピンなどの圧入や細い棒材の曲げや切断などに使用されています。

現代は、ハンドプレス機のメーカーが多く出現し、500kgプレスから12tプレスまで、ハンドプレス機の圧力を選べる時代になりました。エキセンプレス機に代表される自動車のハンドル型のハンドプレス機なども登場しています。

最も馴染みのあるハンドプレス機はハンディプレス機です。ハンディプレス機は、構造はホッチキスの芯で紙を留める構造に似ています。そのため、ハンドプレス機はホッチキスの芯を留めたことのある人であれば簡単に使用できます。

参考文献
http://yatsurugi.co.jp/hand_press/
https://www.monotaro.com/p/3351/6576/
https://www.monotaro.com/g/00025643/
https://jp.misumi-ec.com/
https://www.partslabo.com/goods/kougu/handpress.html

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