ケーブルコネクタ

ケーブルコネクタとは

ケーブルコネクタ

ケーブルコネクタ(英語:Cable connector)とは電気電子機器や生産設備間を通信するための通信ケーブルを接続するために使用されるコネクタのことです。ケーブルコネクタはそれぞれの通信方式毎に仕様が異なるため、使用目的、使用用途に応じて使い分けすることが重要となります。

ケーブルコネクタの使用用途

1. 産業用途

産業用途におけるケーブルコネクタの主な使用用途は、大きな装置間などの接続です。具体的には、生産設備施工時のマシン間インターロック通信施工や、電気電子機器の製造における電子機器間の通信或いは通信のための制御信号授受のためなどに使用されてます。

ケーブルコネクタは、通信仕様に応じた規格に対応するタイプに大別でき、使用目的や使用条件に合ったタイプのコネクタを選ぶことが必要です。産業用途で使用される通信方式は多岐に渡っており、CAN通信、Ethernet通信、CC-LINK通信などの方式が一般的です。

例えば、CC-LINK通信対応のケーブルコネクタは、建屋別の生産設備監視のためのCC-LINK通信による通信するケーブル間の接続を行っています。CAN通信対応コネクタは、RS-485通信などによりバッテリーマネジメントシステムと電池本体間の信号授受用のCAN通信コネクタとして使用されています。

2. 民生用途

ケーブルコネクタの使用用途として、個人若しくは法人などにおけるデータのやりとりなどを行う民生用途も挙げられます。民生用途は、大きく分けると以下の2つです。

データ受送信用ケーブルコネクタ
音声や映像やデータファイルなどのデータのやり取りをするためのケーブルコネクタです。以前はマウスやキーボード専用のコネクタも多くありましたが、現在はUSBタイプのものが増えてきました。

USBタイプはデータファイルのやり取りや周辺機器の電源供給など、日常生活でよく使われている一番認知度の高いケーブルコネクタです。以前はタイプAのUSBが一般的でしたが、最近はタイプCの利用が増えつつあります。

ネットワーク通信用ケーブルコネクタ
ネットワークを通信するためのケーブルコネクタで、イーサネットケーブルなどが一般的です。これは、パソコンやディスプレイや周辺機器などの内部のデータ転送に用いるもので、MIDIケーブルやHDMIケーブルなどがよく使われます。

内臓ドライブやマザーボード、電源供給などの機器内部にも用いられており、シリアルATAやIDEケーブルなどが挙げられます。

ケーブルコネクタの種類

ケーブルコネクタは、一般的に通信仕様に応じた評価項目が設定されており、その規格に対応する形で各種メーカー毎に生産製造されています。しかし、ケーブルコネクタは似たような見た目のものが多いため、型番等を確認してからの購入が必要です。

使用したい機器の仕様書などを確認しながらケーブルコネクタを選ぶ必要があります。代表的なケーブルコネクタを下記で4つ紹介します。

1. D型コネクタ

電力情報、制御信号等を設備間、機器間で受け渡しするために使用されるものです。

2. CAN通信コネクタ

CAN(Controller Area Network)は主として車載内における電気電子機器間の制御ネットワークを構築するために開発されたもので、その通信に使用されるコネクタです。

自動車業界においては、CASE対応が進み、自動車メーカーにとってはメーカーからモビリティサービスのプロバイダーへの変革期です。そこで、自動車内に使用されるCAN通信用ケーブルコネクタも今後のプロバイダーとしてのサービスに対応できるよう進化しています。

なお、ケーブルコネクタを用いた通信授受(ハンドシェイク)確認に関しては、各通信規格毎に詳細が設定されており、ケーブルコネクタを通じて取得したデータを上位コントローラーで処理するシステムになります。

3. ワンタッチコネクター

電子部品や基盤に配線をつなぐ場合に、コネクタを用いる場合もあります。中でもワンタッチコネクターと呼ばれるものは、図1に示すように本体に複数の貫通孔が設けられており、これら貫通孔にはお互いに電気的に接続された導電部が配されているのが一般的な構造です。

図2に示すように、貫通孔内にケーブルの導線を差し込み、導電部を接続させて複数の貫通孔内に配されたケーブル間を電気的に接続します。

ワンタッチコネクターの概念図

図1. ワンタッチコネクターの概念図(左) / 図2. ワンタッチコネクターの使用方法の概念図(右)

この導電部を接続する機構としては、導電部を下げるレバーを設けておき、レバーを下げるだけで電気的な接続を行う構造が多く用いられ、工具や配線を圧縮する作業も不要となることから、短時間での作業が可能です。

4. 防水コネクタ

ケーブルコネクタは電子部品同士の接続が用途の中心のため、基本的に水に濡れてしまうことは危険なので避けなければいけません。このため、屋外の照明や電気配線、船舶など防水の要素が必要なシーンに合わせて、防水コネクタと呼ばれるものもあります。

一般的な構造は、図3に示すように、対になる一方の防水キャップ内にコネクタ部を配し、もう一方の防水キャップ内にコネクタ部収納孔を設け、収納孔の先にコネクタ部と接続する端子を設ける構造です。

防水コネクタの構造

図3. 防水コネクタの構造

防水キャップの嵌合部にスクリュー部を設けておき、嵌合させる、もしくはシーリング材などで密閉するなどして防水性を確保しています。製品によって防止威勢が異なるので、どれぐらいの防水対策がされているかによって製品を選んでいきます。

参考文献
https://www.keyence.co.jp/ss/products/recorder/lab/candata/example.jsp
https://www.atmarkit.co.jp/ait/subtop/features/windows/cableconnect_index.html
https://www.diylabo.jp/basic/basic-103.html
https://www.takachi-el.co.jp/main_cat/connector
https://kurashi-no.jp/I0020106

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