グラップル

グラップルとは

グラップル

グラップルとは、林業や農畜産業、土木建築などの現場で使用される油圧ショベルに着けるアタッチメントのことです。

木や瓦礫などを掴んで移動させるためのもので、クレーンゲームのアームのような形をしています。グラップルとは英語の「Grapple」に由来し、レスリングの「組みあい」のようにしっかりと掴むという意味です。

油圧ショベルは、グラップル以外にもバケットやクラッシャーのように沢山のアタッチメントを付け替えることにより、現場のニーズに応じて多種多様に使用されています。

グラップルの使用用途

グラップルの使用用途では、林業の分野で最も多く使用されています。

木材を人手で運搬することは非常に大変であり、山林の足場の急峻な斜面で作業することや、未整備の道路で大きな重機の搬入が困難であることも多いため、小回りの利く比較的中小型の油圧ショベルにグラップルを取り付ける場合が多いです。主に丸太などの木材を移動させるために使用されます。

グラップルはとても汎用性があり、作業現場では欠かせない工業用機械です。現場の整理整頓からトラックへの積み込み、撤去作業、荷物の卸し作業など様々な作業が可能になるため、林業以外にも土木建築業や産業廃棄物収集、木材家屋の解体等の業界で広く利用されています。

グラップルの原理

グラップルは、油圧ショベルの油圧の駆動力を利用して、トングと呼ばれるグラップルのフォークの箇所を開閉させて物を挟み込みます。油圧式の場合にはトングは両開きであることが多いため開口幅を広く確保することが可能です。

一方で機械式のものもあり、その場合はシリンダーで片側のトングを開閉させてつかむ形式となっています。

トングが花びらのような4から5枚のトングを開閉するタイプは「オレンジグラップル」とも呼ばれ、一度に大量のものを掴むことができますが、油圧式駆動でアタッチメントの取り付けには各々のトングに配管が必要です。

また、バケットと呼ばれる、物をすくって格納し運搬する格納機能を兼ね備えた「バケットグラップル」と呼ばれるタイプも広く使用されています。

グラップルのその他情報

1. 林業での高性能な作業機械

グラップルは林業機械で非常に広く使用されていますが、林業は伐採から木材の運搬、造材工程の各所で様々な高性能な林業機械が使われています。

例としてはプロセッサ (造材機械) やスイングヤーダ (旋回ブーム式タワー付集材機械) 、フォワーダ (積載式集材車両) 、ハーベスタ (伐倒造材機械) などがあり、昨今の高機能な林業機械は、人手を極力削減し高性能高機能化での作業効率改善のため、複数の工程を一台で対応可能にした小回りの利く機械の開発が増えています。

そのため各々の機械にグラップルをアタッチメントとして取り付けるだけでなく、バケット機能を集積したバケットグラップルや、木材の伐採のためのを集積したチェーンソー内蔵グラップルなど、開発メーカーの創意工夫が随所にあふれた機械が存在します。

2.その他の現場での活用

グラップルは主に木造家屋の解体現場でよく利用されており、別名で「フォーク」とも呼ばれていますが、ビルなどの解体現場では違うアタッチメントが広く活躍しています。

例えば、現場の瓦礫を粉砕するための、ラッシャー (大割) やパクラー (小割) と呼ばれるものです。大きな岩、コンクリートの柱や梁等などそのままでは運べないものを、砕いて小さくするためのアタッチメントです。形状はカニの足のような形をしています。

また畜産業現場では、牧草ロール、麦稈ロールなどの比較的体積の大きな柔らかい牧草の積み下ろしのために「ベールグラップル (ベールグラブ) 」と呼ばれる専用のグラップル・アタッチメントが活躍しています。

参考文献
https://www.ydec.co.jp/magazine/magazine_kenki/1618
https://www.weblio.jp/content/%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%AB
https://www.nipponcat.co.jp/blog/attachment/backhoe.html
http://www.iwafuji.co.jp/products/forest_gs.html

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