ケーブルクランプ

ケーブルクランプとはケーブルクランプ

クランプ」とは、物を挟む構造のものの総称です。
例えば、医療業界でははさみのような形状をした器具のことを指し、器官をはさんで液体を遮断するときなどが主な使用用途です。このため、医療用クリップとも呼ばれています。このように各業界に応じてクランプという言葉が使われていますが、この記事では、ケーブルを挟む「ケーブルクランプ」についてお話しします。「ケーブルクランプ」とは、配線をまとめるための工具です。

ケーブルクランプには、複数本のケーブルを単にまとめるもの、まとめた上で壁などに固定する機能をもつもの、壁などに複数本のケーブルをまとめて引き込むものと様々な形態のものがあります。

ケーブルクランプの構造例

ケーブルクランプの最も簡単な構造としては、結束バンドのように、複数本まとめてホールドするものが挙げられます。
例えば、図1aに示すように、ハンドル部から伸縮可能なベルトが出ており、図1bに示すようにハンドル部の凹部にケーブルを配した後、ベルトで固定するタイプなどがあります。

ケーブルクランプの構造図

図1. ケーブルクランプの構造図

なお、複数本のケーブルをまとめた状態で壁などに固定する構造が一般的であり、図2に示すように、ケーブルクランプの固定台裏面の接着面で壁などに貼り付け固定するのが一般的です。

貼り付け型ケーブルクランプの構造図

図2. 貼り付け型ケーブルクランプの構造図

ボルトやネジで壁に固定するタイプもあります。固定するケーブルによって、材質も形状も様々なものが存在し、上述の様に比較的簡単な構造のもののほかに、オフィスや作業場などでケーブルをルーティングするのに便利な形状のものもあります。

例えば図3aおよび図3bに示すような、金属製の枠とウレタンなどの樹脂による挟み込み部により形成されている部品を対にしてケーブルを挟み込むタイプは代表的なタイプです。

挟み込み型ケーブルクランプの構造図

図3. 挟み込み型ケーブルクランプの構造図

このように、ケーブルを挟み込んだ状態で壁などに固定し、壁にケーブルクランプの大きさの穴をあけるだけでケーブルのルーティングを可能とします。

また、くし型構造を有し、くしの凹部にケーブルを挟み込んでまとめるタイプのものも一般的です。さらには、図4に示すようなハニカム構造を有した箱型のものもあります。

箱型ケーブルクランプの構造図

図4. 箱型ケーブルクランプの構造図

このハニカム構造の穴部にケーブルを貫通させることでクランプするため、固定が非常に簡単です。

図3の形状のものやくし型のもの、図4で挙げた形状のものは、ルート内でケーブル同士が物理的に接触しないようにする、電気的に触れ合わないようにする、もしくは途中に配置された装置などに物理的および電気的に触れないようにするなどの処置が必要な場合によく使われます。

なお、使用するケーブルや使用状況に応じて、3Dモデルなどのソフトを使用しケーブルのモデリング等を行い、必要なサイズのクランプを設計して特注のクランプを使用することも珍しくありません。さらには、複数本のケーブルをまとめたケーブルクランプを複数個まとめて配置するためのボックスなども流通しています。

まとめ

ケーブルをまとめる際には、ケーブルの材質や使用環境、使用目的に応じたケーブルクランプを使用する必要があります。

特にケーブルルーティングをおこなう際には、環境に応じてケーブル同士を物理的にも接触させず、電気的に絶縁できる構造のケーブルクランプやケーブルクランプを収納するボックスなどを使用するのが好ましいと言えます。

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