ガラス切断機

ガラス切断機とは

ガラス切断機

ガラス切断機とは、ガラスを切断するための機械です。

ガラスの加工は、素板と呼ばれる主にインチ単位で製作された定寸寸法の物を必要なサイズである原寸に切断することから始まります。

定寸とは、例えば石膏ボード合板に代表されるサブロク板 (3ftx6ft = 36inches x 72 inches = 914mm x 1829mm) のように、ホームセンターに売っていて人の手で簡単に移動できるものから、 96inches x 144inches = 2438mm x 3658mmのように、天井クレーンが無ければ運べない大きさまで様々な定寸が存在します。

ガラス切断機の原理

ガラス切断機の原理は、まず表面にキズを付けてからその部分を切断します。キズ付けの際はカッターに入れる力を一方向にしなければ、素材のガラスに亀裂が入ってしまい、綺麗に切断できなくなります。

切断機または手動ガラスカッターは、ホイールカッターの刃先から油が出る構造になっています。これは、キズを入れた表面に油を入れることで、キズに沿ったガラスの割り作業をスムーズに行うためです。仮に油なしでキズを割った場合、ガラスに付けたキズに沿わずに割れる (「走る」と表現される切断の失敗) が起こります。

ガラス切断はガラスカッターと呼ばれる道具を用いて手動で行う場合もあります。その際には、上記のような理由と切断の状態から、職人の方の力量によって加工の良し悪しが変わります。

ガラス切断機の使用用途

ガラス加工を行う際、一番最初に使用するものがガラス切断機です。その後、加熱などの加工が行われ、製品として出荷されます。

ガラス素材の一番の特性である割れやすい点を活かして変形させ、様々な製品に応用します。

ガラス切断のその他情報

ガラス切断の手順

ここでは主に建築用・産業用ガラス (厚みは2mm-19mm程度) を例とします。

切断の大まかな手順は下記の通りです。

1. 切断の準備
切断加工を行うガラスを切断機の台に置き、水平直角を確認しながら切断の準備をします。

自動制御で切断を行う場合は、パソコン上で無駄な加工が出ないように制御してから加工します。透明なガラスのように、縦横の差がないものであれば効率よく使用することができますが、模様のある型板ガラスなどは、縦横の使用可否があるため、切断前の検討は慎重に行う必要があります。切断のシミュレーションと縦横使用の可否およびロス率の計算ができたら、切断工程に進みます。

2. ガラス表面にキズをつける
ガラスの切断は、切るというより割るイメージです。ガラスの主成分は酸化ケイ素の結晶体ですが、分子構造は金属に代表されるような結晶構造ではなくアモルファス結晶です。

不規則に構造が壊れるという性質があり、その点を逆利用して切断します。表面にキズを付け、そのキズに沿ってガラスに力を加えて割る方法でガラス寸法を揃えます。ホイールカッターと呼ばれる回転する刃物でガラス表面にキズをつけていきます。

3. 切断する
キズを付けた部分を手動で折ってガラスを切断します。機械で切断する場合、NC旋盤と同様の原理を使用した機械で、X,Y方向の座標を目標にヘッドが動作することで、正確な寸法でホイールカッターヘッドが動作して素板ガラスの表面にキズを付けていきます。

切断機ヘッドが走った後に、作業員がガラスを割りますが、切断機のテーブルに切断機ヘッドが走ったキズに沿ってガラスを持ち上げる割り台が備えられているため、キズの入った部分だけを持ち上げることで正確に素板ガラスを割ることができます。

ガラスの割れやすい特徴を活かして、上記のような切断加工方法が採用されています。

参考文献
https://kodama-glass.co.jp/kgpress/archives/21733
https://www.sanshiba-g.co.jp/setubi/setsudan.html
http://www.op.titech.ac.jp/lab/Take-Ishi/html/ki/hg/et/sb/glasscutter/glasscutter.html
https://www.giya-man.com/column/3/

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