グルクロノラクトン

グルクロノラクトンとは

グルクロノラクトン (英: Glucuronolactone) とは、白色〜淡褐色の結晶性粉末の有機化合物です。

別名として、D (+) -グルクロノラクトン (英: D (+) -Glucuronolactone) やグルクロノ-3,6-ラクトン (英: D-Glucurono-3,6-lactone) 、グルクロン (英: Glucurone) 、グルクロン酸ラクトン (英: Glucuronic acid lactone) とも呼ばれます。

なお、グルクロノラクトンは、主な国内法規には該当しません。

グルクロノラクトンの使用用途

グルクロノラクトンは主に医薬品分野で使用され、肝臓病の薬や疲労回復ドリンク、ニキビや肌荒れの改善薬などに有用です。ヒトの体内において、グルクロノラクトンは肝臓に作用し、肝臓の働きを助ける効果があります。

ヒトの体内の水分で、グルクロン酸に変化します。グルクロン酸は、肝臓においてヒトにとって不要な老廃物質と結合しグルクロン酸抱合体になります。複合体の形成により、老廃物質を体外に排出させやすくすることが可能です。この仕組みにより、肝臓の解毒能力が高まり血流が増えるという効果が得られます。

グルクロノラクトンは、肝臓の働きを高める作用の他、じん麻疹や湿疹、妊娠中毒などの症状にも改善効果があります。これらの作用は強力ではありませんが、その分副作用もほとんどありません。

グルクロノラクトンの性質

化学式はC6H8O6で表され、分子量は176.12です。CAS登録番号は32449-92-6です。

融点は170°Cで、常温では固体です。無臭の化合物で、水に溶けやすく、エタノールや酢酸にはほとんど溶けません。

グルクロノラクトンの種類

水に溶かすと、互換異性体であるグルクロノラクトンとグルクロン酸の両方が存在する水溶液が得られます。生体内でも、両互換異性体が存在することが報告されています。

グルクロノラクトンのその他情報

1. グルクロノラクトンの製造法

金属触媒存在下、トレハロースを酸化したのち、加水分解することでグルクロノラクトンが得られます。また、グルコースを微生物発酵によりグルクロン酸とした後、ラクトン化を経てグルクロノラクトンを得る製造方法も報告されています。

2. 取り扱い及び保管上の注意

取り扱う場合の対策
強酸化剤との接触は避けてください。局所排気装置であるドラフトチャンバー内で使用する必要があります。また、使用の際は、個人用保護具を着用します。

火災の場合
燃焼分解により、刺激性で有毒なガスや蒸気を生成するおそれがあります。消火には水噴霧や泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、消化砂などを使用します。

皮膚に付着した場合
皮膚に付着しないよう注意してください。使用時は必ず白衣や作業着などの保護衣や保護手袋を着用します。保護衣の袖は決して捲らず、皮膚が暴露しないようにしてください。

万が一皮膚に付着した場合は、石けんと大量の水で洗い流します。衣類に付着した場合は、汚染された衣類をすべて脱いで隔離します。症状が続く場合は、医師の診療を受けてください。

眼に入った場合
使用時は必ず保護メガネまたはゴーグルを着用してください。万が一眼に入った場合は、水で数分間注意深く洗います。

コンタクトを着用している場合で簡単に外せるときは外し、しっかり洗浄します。直ちに、医師の診察を受けてください。

保管する場合
保管する際は、ガラス製容器に入れて不活性ガスを封入し、密閉します。直射日光を避け、換気がよく、なるべく涼しい場所に施錠して保管してください。

参考文献
https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/compound/92283
https://labchem-wako.fujifilm.com/sds/W01W0107-0048JGHEJP.pdf

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