マイクロメーター

マイクロメーターとは

マイクロメーターとは、測定物をはさみ込み寸法測定をする測定器です。

0.01mm単位での測定が可能ですが、1μm (0.001mm) まで測定できる測定器も一般的です。単純に「マイクロ」と呼ぶ場合もあります。通常マイクロメーターは外側マイクロ(メーター)を指す場合が多いです。内側マイクロ(メーター)、3点式内側マイクロ(メーター)、棒型マイクロ(メーター)、デプスマイクロ(メーター)など、測定物や測定箇所によって種類があり、用途で使い分ける必要があります。

マイクロメーターは測定可能範囲が (0~25mm) や (25~50mm) のように測定可能な長さの範囲が25mm刻みの場合が多く、事前に測定したい物の大まかなサイズの確認が重要です。

マイクロメーターの使用用途

高精度で測定を求められる場面にはノギスではなくマイクロメーターを使う場合が多いです。マイクロメーターの種類により測定できる物が異なり、タイプ別に測定対象を記載します。

1. 外側マイクロ(メーター)

対象の外径や厚みを測定します。

2. 内側マイクロ(メーター)

測定物の内径や溝や穴の幅寸法を測定します。

3. 3点式内側マイクロ(メーター)

内径の測定に用いられます。内側 (内径) で3か所の点で測定するため精度が高いです。

4. 棒型マイクロ(メーター)

大きな円の内径の測定に適しています。

5. デプスマイクロ(メーター)

溝や穴の深さの測定で使用します。

マイクロメーターの原理

マイクロメーターは精密なネジの原理を使用します。ネジを回すことで測定物をはさみ込み、同時にネジの回転角度をネジの移動量に置き換えて測定物の寸法を測定します。ピッチが0.5mmのネジが使用される場合が多く、一回転で移動量は0.5mmです。円周上に50等分した目盛りをふると一目盛りが0.01mm (=0.5/50) の寸法に該当します。副尺を設けると0.001mmの細かさで読み取りが可能です。

マイクロメーターはネジ機構で測定物をはさみ込むため、回す力の大きさで測定値にばらつきが生じます。この影響を受けないように一定の力でネジを回転させる機構が設けられています。ほとんどの場合はラチェットストッパー式です。測定する物をはさみ込んだ際に「カチッ」とクリック感が出る場所まで力をかけて回します。

マイクロメーターの保管時に測定値をゼロ位置にするとネジの機構部に常に応力がかかった状態となり、次の測定時の値に狂いが生じる可能性があり注意が必要です。

マイクロメーターの種類

外側マイクロメーターは標準マイクロメーター、U字型マイクロメーター、球面マイクロメーターに分類され、内側マイクロメーターは棒型内側マイクロメーターや3点式内側マイクロメーターに分けられます。

1. 標準マイクロ(メーター)

円形の対象物を挟み、外形の寸法を測定します。筒状の製品の製造現場でよく用いられます。

2. U字型マイクロ(メーター)

フレームの奥行きが大きいです。鉄板を深く差し込めるため、板厚の測定で使用されます。

3. 球面マイクロ(メーター)

アンビルとスピンドルの表面がいずれも球状です。ピンポイントで寸法を測定でき、位置によって厚さが違う対象物を測定可能です。

4. 棒型内側マイクロ(メーター)

外側マイクロメーターのようなフレームはなく、一本の棒のような形です。ロッドを継ぎ足せば大きい対象物の内径も測定できますが、小さい対象物には適していません。

5. 3点式内側マイクロ(メーター)

3点で計測するため正確です。計測点が増えると内径の変形にも気が付きやすいです。

マイクロメーターの構造

マイクロメーターはアンビル、フレーム、防熱板、スピンドル、クランプ、スリーブ、基準線、シンブル、ラチェットストップで構成されています。対象物をスピンドルとアンビルの間に置いてシンブルを回転させ、両面を密着させて測定します。

参考文献
https://www.keyence.co.jp/ss/products/measure-sys/measurement-selection/type/micrometer.jsp
https://04510.jp/times/articles/-/10661?page=1
http://ms-laboratory.jp/zai/tensile/micro/micro.htm

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です