フロアヒンジ

フロアヒンジとは

フロアヒンジとは、床に埋め込まれた開き戸の荷重を支えることができる装置のことです。

ドアの軸側に設置されており、商業施設やマンションのエントランスで、大きなガラス扉など重量のある扉に採用されます。一般扉用や強化ガラス扉用、防火扉用などがあります。

扉の下の床に仕込まれており、意識してみる部分ではないため、あまり気づかれることはありませんが、ドアの開閉には重要なパーツです。

フロアヒンジの使用用途

フロアヒンジは、扉の開閉角度や扉が閉まる速度を調節する用途に用いられていて、ドアクローザーと同じ役割を果たしています。フロアヒンジには油圧ダンパーが内蔵されており、ダンパーを調節することにより、扉の開閉速度の調節が可能です。これによって、安全に通過できたり、バタンと大きな音で閉まったりすることがなくなります。

床の仕上げ材料や扉の大きさに合わせて選ぶことが可能で、石やじゅうたん、タイル床など周りで使用されている床仕上げ材を貼り付けられるよう、さまざまな材料に対応しているものがあります。また、扉の開く角度を調節する機能もあり、90°、120°、180°など設置箇所や用途により、設定することが可能です。しかし、戸当たりの設置は必須となります。

フロアヒンジは耐久性に優れているため、長期間使用可能ですが、内部の埃を取り除いたり、腐食が故障の原因となったりする可能性もゼロでがありません。水が溜まっていないかなど、こまめなメンテナンスは必要です。なお、メーカーの推奨する使用期間は、約10年程度と言われています。

フロアヒンジの原理

扉は壁の片側を軸にして取り付けられており、軸と反対側から開閉操作を行い、開閉動作が起こります。フロアヒンジ本体を扉の軸に取り付け、フロアヒンジの上部ではピボットと呼ばれる部品があり、ピボットとフロアヒンジの上下で支えることによって、扉を取り付けられ、動作や角度をコントロールします。

フロアヒンジの構成部品は、大きく分けて本体部分、床側に埋め込み本体を収めるセメントケース、上部を覆うフロアプレートの3種類です。本体を直接扉の軸に取り付けるために、床部分に本体を収納するセメントケースを埋め込みます。

このセメントケースが不安定だと、扉の立て付けが悪いと、スムーズな開閉ができないので、モルタルで固めたり、溶接などでしっかり固定することが重要です。扉の主軸に載せる本体のアーム部分を扉の底軸に取り付け、本体がむき出しになることを防ぐ目的で上から金属製のプレートをかぶせます。

フロアヒンジのその他情報

1. フロアヒンジを使用する上での注意点

床面の材質により特徴が異なります。石材用では一体感が出せるよう、フロアプレートと呼ばれるプレートが20ミリ、30ミリなど石材を貼っても綺麗に納まるように設計されていたり、じゅうたん張り用では5ミリや10ミリなどの厚みが確保されています。

仕上げに合わせたフロアヒンジを選ぶことにより、金属製のフロアプレートが隠せるため、その場の雰囲気を損なうことはありません。逆にPタイルやフロアタイルなど、薄い材質のものには対応してない点に注意が必要です。その場合、フロアプレートの金属部分が目立ってしまいます。

2. 防水型のフロアヒンジ

フロアヒンジが設置される場所によっては、水がかかったり湿気が多い場所もあります。フロアヒンジ内部の各所にシール材を使用しており、水や湿気、埃の侵入を防ぎます。ただ、完全防水ではないので、過信は禁物です。

3. 故障した場合

フロアヒンジは長期間での使用を想定していますが、使用頻度も高く、重量物を支えているため、当然故障することもあります。故障はダンパーが原因である場合が多く、扉が閉まりきらない、開閉スピードが速すぎる遅すぎる、扉が閉まらないなどの症状が発生します。

早めに修理・交換を行わないと、扉やドア枠にも影響が及び、扉や枠の変形したり破損したりする可能性が高いです。

参考文献
https://www.e-newstar.co.jp/support/select/select_fh/#yougo
https://www.e-newstar.co.jp/fh/
https://www.kagiyasan.co.jp/tategu/floor.html

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