産業用接着剤

産業用接着剤とは

産業用接着剤とは、製造業において部品同士を接着するために利用される接着剤です。

一般的には、接着強度や耐久性、耐熱性などが求められる接着剤を指します。産業用接着剤には様々な種類があります。エポキシ樹脂系は高い接着力と耐久性を持ち、シリコーン系は耐熱性や耐薬品性に優れ、アクリル樹脂系は速乾性や透明性があります。また、ゴム系や嫌気性接着剤、ホットメルト接着剤、圧敏接着剤などもあります。

産業用接着剤は自動車や電子機器、航空機、建設、医療機器、家電製品、包装などの様々な分野で使用されます。例えば、自動車では部品同士の接着に利用され、電子機器では半導体チップやプリント基板の接着に役立ちます。

高温用接着剤

高温用接着剤とは

高温用接着剤とは、高温環境下でも接着力を維持できる特性を持つ接着剤です。

高温用接着剤には、いくつかの種類があります。まず、エポキシ樹脂系は高い接着力と耐久性を兼ね備え、180℃から200℃程度の高温にも耐えられます。シリコーン系は耐熱性と耐薬品性に優れ、-100℃から250℃程度の広い温度範囲に対応します。アクリル樹脂系は速乾性と耐水性に優れ、150℃から180℃程度の高温に耐えます。ゴム系は弾力性があり、100℃から150℃程度の高温に適しています。そして、熱可塑性樹脂系は熱を加えると融解し、冷却すると固化します。

高温用接着剤は、電子機器、医療機器、製造業、産業機械など多くの場所で利用されています。

熱活性接着剤

熱活性接着剤とは

熱活性接着剤とは、加熱によって接着力を発揮するタイプの接着剤です。

主な成分としては、樹脂、増粘剤、添加剤が挙げられます。これらが混合されると、接着面に塗布された接着剤が熱によって融解し、接着面と密着します。その後、冷却・固化することで強固な接着膜を形成します。

この接着剤は、電子機器、医療機器、自動車、航空機、スポーツ用品など、さまざまな分野で使用されます。使用時には、接着面の処理、接着剤の塗布、そして適切な温度での加熱が必要です。特徴としては、高い接着力、耐久性、耐薬品性、汎用性、作業性が挙げられます。これにより、高い接着力が求められるさまざまな状況で活躍します。加熱時には高温になるため、火傷などの事故には注意が必要です。

ガラス接着剤

ガラス接着剤とは

ガラス接着剤とは、ガラス同士やガラスと他の素材を接着するための接着剤です。

ガラス接着剤は透明性と高い接着力があり、様々な場面で活躍します。従来の接着剤とは異なり、硬化後も透明性を保ち、美しい仕上がりを実現します。主な成分として、樹脂、硬化剤、添加剤が挙げられます。これらが混合されると、ガラス表面の微細な凹凸に浸透し、硬化することで強力な接着を実現します。

ガラス接着剤は、食器や花瓶などのインテリアアイテム、窓ガラスや鏡、スマートフォンやカメラなどの電子機器、さらには医療機器まで幅広い分野で使用されます。使用方法は、接着面の処理、接着剤の塗布、そして圧着の3つのステップで行われます。これにより、ガラス同士や他の素材との接着を確実に行います。

フォーム接着剤

フォーム接着剤とは

フォーム接着剤とは、発泡プラスチック同士や発泡プラスチックと他の素材を接着するための接着剤です。

フォーム接着剤は、樹脂、溶剤、添加剤などの成分が混合され、フォーム表面の凹凸に浸透して硬化することで、強固な接着膜が形成されます。これにより、フォーム同士や他の素材との接着が可能となります。

建築や土木、自動車、家電、家具、スポーツ用品などの分野で幅広く使用されます。例えば、断熱材や防音材の接着、自動車のバンパーやダッシュボード、家電製品の筐体、家具、スポーツ用品などの接着に利用されます。特徴として、柔軟性、接着力、耐水性、耐熱性、作業性が挙げられます。フォームの伸縮に追従し、高い耐久性を持ち、さまざまな環境下で使用できます。

フロッキング接着剤

フロッキング接着剤とは

フロッキング接着剤とは、繊維や微粒子を布や紙などの表面に固定する接着剤です。

フロッキング接着剤には、樹脂、増粘剤、溶剤などの成分が混合され、表面に固定する薄い接着膜が形成されます。インテリア、ファッション、クラフトなど、幅広い分野で活用されます。例えば、壁紙やカーテン、衣服や靴、手芸作品や模型、さらには工業製品にまで利用されます。

使用方法は、表面処理、接着剤の塗布、そして繊維や微粒子のフロッキングの3つのステップで行われます。接着力が強く、耐久性が高いのが特徴です。フロッキング接着剤の特徴は、汎用性、表現力、安全性、施工性にあります。多様な素材に適用でき、豊富な色や質感で表現が可能です。また、比較的簡単に施工でき、人体にも安全です。

義歯用接着剤

義歯用接着剤とは

義歯用接着剤は、義歯を口腔内に固定するための接着剤です。

義歯用接着剤は主に樹脂、増粘剤、潤滑剤の3つの成分が混合されると、義歯と歯茎の間に接着膜を形成し、義歯を固定します。樹脂は、接着力と耐久性を向上させるために用いられ、アクリル樹脂、酢酸ビニル系樹脂などが使用されます。増粘剤にはカルボキシメチルセルロースなどが使用され、粘度を調整し、義歯の固定力を高めます。潤滑剤にはシリコーンオイルなどが使用され、義歯の挿入と取り外しのしやすさを向上させます。

義歯用接着剤は、上顎義歯や下顎義歯、部分義歯など、様々なタイプの義歯に使用されます。一般的な使用方法は、義歯の洗浄をし、接着剤の塗布、そして義歯を装着することで強固な接着を可能にします。

建設用接着剤

建設用接着剤とは

建設用接着剤とは、建築現場での材料同士の接合に利用される接着剤です。

建設用接着剤には様々な種類があり、木材、金属、コンクリートなど、さまざまな建築材料に対応しています。これらの接着剤は、建物の強度や耐久性を向上させる役割を果たしています。主にエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などをベースに、必要な性能を実現するための添加剤が混合されます。硬化剤との反応により、接着剤は強固な接着力を発揮します。

活用場所として、木材や金属、コンクリートの接合から、タイルの貼り付けや防水処理まで、様々な建築作業に使用されます。接着剤は、接着面の処理、接着剤の塗布、そして硬化のプロセスを経て、部材同士をしっかりと接合します。

電気伝導性接着剤

電気伝導性接着剤とは

電気伝導性接着剤とは、金属部品同士を電気的に接続するための接着剤です。

通常の接着剤とは異なり、導電性が必要であり、安定した電流伝導を実現するために設計されています。これらの接着剤は、銀、銅、ニッケルなどの金属粉末を樹脂に混合することで導電性を持たせています。硬化後、金属粉末が密着し、電子の移動を可能にする導電路を形成します。

電気伝導性接着剤は、様々な電子機器や電気部品で利用されています。例えば、電子基板においてチップコンデンサや抵抗などの電子部品を接続する際や、ケーブル同士やケーブルと端子の接続、金属筐体や機器の接地、そして電磁波ノイズの抑制(EMI対策)などに使用されます。

カーペット用接着剤

カーペット用接着剤とは

カーペット用接着剤とは、カーペットを床に固定するための接着剤です。

樹脂系と水系の2つの主要なタイプがあります。樹脂系接着剤は高い接着力と耐久性があり、水系接着剤は施工性と安全性に優れています。カーペット用接着剤は化学反応により、床との間にしっかりと接着層を形成します。

住居、オフィス、商業施設など、さまざまな場所でカーペット用接着剤が活用されています。カーペット用接着剤の作用は床の準備や油分を落とし、接着剤の塗布、そして接着剤が乾燥し切らないうちにカーペットを設置することで強固に接着できます。カーペットは剥がれず、長期間の使用に耐え、水濡れにも強くなります。また、施工性に優れ、人体や環境にも安全です。