導電性接着剤とは
導電性接着剤は、電気を通す特性を持つ接着剤製品です。
導電性のフィラーを樹脂に混合しており、接着と同時に電気的な接続を実現できる点が特徴です。電子部品の接続や配線の固定に使用されることが多く、はんだ付けが困難な部品や熱に敏感な材料への実装に適しています。また、接着後も柔軟性を保持するタイプがあり、振動や衝撃に対する耐久性が求められる環境でも利用可能です。
導電性接着剤は、電子機器や精密機器の製造現場で幅広く使用されます。リード線やフレキシブル基板の接続、センサー部品の固定、電磁シールドの形成など、多様な用途に適応可能です。接着剤自体が電気を通すため、余分な配線やはんだを減らせる点もメリットです。さらに、樹脂ベースであるため加工性に優れ、複雑な形状の部品や狭小スペースへの実装も容易です。
導電性接着剤の使用用途
1. 電子部品の実装
導電性接着剤は、ICチップやセンサー、リード線などの電子部品の固定に使用されます。従来のはんだ付けでは困難な微細部品や熱に敏感な材料にも適用でき、正確かつ安定した電気接続を提供します。これにより、高精度な電子機器の製造が可能になります。
2. フレキシブル基板の接続
フレキシブル基板や薄膜基板の接続には、導電性接着剤が有効です。基板同士や部品との接続を簡便に行え、熱による部品損傷のリスクを低減できます。また、基板が曲がる環境でも接続が保持されるため、ウェアラブル機器や可動部の電子機器に適しています。
3. EMIシールドの形成
電子機器の電磁干渉(EMI)対策として、導電性接着剤を用いてシールド層を形成することが可能です。接着剤に含まれる導電性フィラーが電磁波を遮蔽し、機器内部の回路の誤作動や外部への干渉を防ぎます。これにより、機器の信頼性と安全性を高めることができます。
4. センサーや小型デバイスの接続
小型センサーやMEMSデバイスの接続では、狭いスペースに正確に電気接続する必要があります。導電性接着剤は微量での塗布が可能で、複雑な形状の部品にも対応できます。振動や衝撃への耐久性もあり、産業機器や医療機器など、厳しい条件下での使用にも適しています。
5. その他の応用
導電性接着剤は、配線修理やプロトタイプ作成、試作段階の実験装置など、多岐にわたる用途で利用可能です。はんだ付けを避けたい場合や、熱による影響を抑えたい場合に特に有効であり、柔軟性と導電性を両立した接続手段として重宝されています。