貯留槽

貯留槽とは

貯留槽

 

貯留槽とは、雨水などの流体を留めておくための施設、もしくは容器です。

貯留槽は、大別して貯留浸透施設に分類されており、細別すると、貯留施設と浸透施設に分類されます。そして、貯留施設は、雨水の流れ込む範囲の違いからオフサイト貯留とオンサイト貯留に分けられます。浸透施設は、雨水を効率よく地中に浸透させるための施設です。

オフサイト貯留は、川や水路などに雨水が流入した後に集水し、貯留することで雨水の流出を防ぐ仕組みのことを指します。

オンサイト貯留は、雨水をなるべく移動させずに雨が降った地点において、集水を行い、貯留することで雨水の流出を防ぐ仕組みのことを指します。この方法は、別名で現地貯留とも呼びます。

これらは、施設の構造やその利用形態の違いにより、さらに細かく分類されます。また、集水を行う環境によっては、貯留施設と浸透施設が併用して活用されることがあります。

貯留槽の使用用途

貯留施設は、構造形式により分類されており、整備方式などの違いから活用される場所が異なります。

まず、オフサイト貯留の構造形式には、ダム式や堀込式、地下式があります。

ダム式は、主に高度300m程度のなだらかな地形において、谷部をフィルダムやコンクリートダムによりせき止める方法として活用します。

堀込式は、起伏が少なく平らな土地において、その場所を堀込んで、周辺の地盤よりも低い水位を保ちながら雨水を貯留する方式として採用されています。

地下式では、集合住宅や雨水貯留事業者、下水道事業者の地下において、地下貯留槽あるいは埋設管などに雨水を貯留する方法として取り入れられています。

次に、オンサイト貯留の構造形式としては、小さな堤もしくは浅い堀込式、地下式としての地下空間貯留や地下空隙貯留があります。

小さな堤もしくは浅い堀込式では、主に集合住宅の棟のあいだや公園、校庭などで、平常時の利用機能を有する空間地において、その敷地に降った雨水を貯留する方法が活用されています。

地下空間貯留としては、コンクリート構造やプレキャスト式などの建物および公園の地下において、比較的大きな貯留施設を整備する方法が採用されます。

地下空隙貯留では、避難場所などの地表上に貯留するうえで問題となる場所において、樹脂製の地下貯留施設もしくは砕石を充填した地下貯留施設を整備する方法を取り入れています。

貯留槽の原理

貯留槽は、後述する貯留施設の分類ごとに、大小さまざまな形態へと変化し、利用されています。

貯留施設の取り扱う範囲は、オフサイト貯留とオンサイト貯留で細分化されており、主にオフサイト貯留には、遊水池や多目的遊水池、治水緑地などがあり、これらは遊水機能保全施設としての役割を担っています。

遊水機能保全施設とは、雨水や川、水路から流れる水を一時的に貯留することで、河川の負担を軽減するための施設です。

オフサイト貯留には、そのほかにも防災調節(調整)池や雨水貯留施設、下水道雨水調整池、大規模宅地開発に伴う調整池などがありますが、これらは後述する施設として分類されています。

オンサイト貯留では、流域貯留施設や公共・公益施設用地での貯留(公園、緑地、校庭など)、集合住宅用地での貯留(集合住宅での棟間、駐車場など)、戸建て住宅での貯留などがあります。これらは、保水機能保全施設としての役割を担っています。

保水機能保全施設とは、雨水を地中に浸透し、滞水層に一時的に貯留することによって、河川の負担を軽減するための施設です。

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